猫好きを悶絶させる、ヒグチユウコ作品おすすめ6選&インタビューまとめ

文芸・カルチャー

更新日:2021/8/23

 人気画家・ヒグチユウコさんが描く個性豊かな猫たちの繊細で上品な絵と物語は、大人も満足できる贅沢さがある。8月3日(火)に発売された最新作『ファッションマジック』(白泉社)は、そんな“ヒグチさんの猫たち”をぱらぱらめくって、自由自在に好みの表情とファッションにカスタマイズできるという仕掛け絵本。ここで、これまでのヒグチ作品をまとめてご紹介! あらためてその魅力に触れてみてほしい。

『ファッションマジック (MOE BOOKS)』(ヒグチ ユウコ/白泉社)

『ファッションマジック (MOE BOOKS)』(ヒグチ ユウコ/白泉社)

 画家であり絵本作家でもあるヒグチユウコさんの描く猫は、どうしてこんなにも見る人の心を掴むのか。繊細で、リアリスティックな絵柄のなかに漂う、幻想的な世界観。つぶらな瞳はときにダークで、ときに切なく、そして愛らしく、一度目があうと容易にそらすことができなくなる。

 多くの著名人からの支持も集めているヒグチユウコさんの最新絵本『ファッションマジック』(白泉社)は、その魅力をかつてないほどふんだんに味わえる一冊。特徴はなんといっても、言葉がひとつも載っていないこと。ページには顔、胴体、足を分ける2か所に切り込みが入っていて、ぱらぱらめくるだけで自分の好みに表情とファッションをカスタマイズできるという仕掛けなのだ。
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『ラブレター (MOEのえほん)』(ヒグチユウコ/白泉社)

『ラブレター (MOEのえほん)』(ヒグチユウコ/白泉社)

〈ラブレターを かいてみようと おもいます。〉という一文からはじまるヒグチユウコさんの絵本『ラブレター』(白泉社)。深紅のページを植物の額縁がかこみ、おずおずと何かを言いたげな(あるいは簡単には言わないという決意を秘めた)様子の少女が顔をのぞかせている。その見開きだけでぐっと心をつかまれ、言葉をもう一度なぞる。

 本作において、ラブレターを書く対象は、人間(異性)に限らない。優しくしてくれたあの子。毎日飼い主である“わたし”を観察するのが仕事のねこ。みんなが大好きなたまご。ゆめのなかで見た景色。幻想的な一枚絵に添えられた言葉が積み重なって、“わたし”の喜びやかなしみ、すでに出会ったものたちへの想いと、これから出会うものたちへの希望と期待が伝わってくる。
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ギュスターヴくん (MOEのえほん)※インタビュー前編

『ギュスターヴくん (MOEのえほん)』(ヒグチユウコ/白泉社)

「かわいい」「癒される」といった言葉だけでは収まらない存在感と魅力を放つ猫たちの絵。そのほか動植物や少女をモチーフにした幻想的な作風で、国内外に熱狂的ファンを持つ画家・ヒグチユウコさん。インテリア雑貨のオリジナルブランド「ギュスターヴ ヒグチユウコ(GUSTAVE higuchiyuko)」も大人気で個展を中心に活動しているヒグチさんが、“猫”も“愛”も“笑い”もある絵本『ギュスターヴくん』を発売した際に、満を持してご本人にインタビュー!(2016年9月掲載)

「ギュスターヴ」というのは巨大なナイルワニのことで、ヒグチさんには巨大生物に対する強い憧れがあったそう。もともと動物は好きで犬や猫を子どもの頃から飼っていて、実家を離れてからもボリス(生後3カ月から飼っている猫)と一緒。しかしながら、「猫がそれほど描きたかったわけではなくて」と意外な本音も語ってくれた。人気画家ヒグチさんの素顔とは?
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ギュスターヴくん (MOEのえほん)※インタビュー後編

『ギュスターヴくん (MOEのえほん)』(ヒグチユウコ/白泉社)

 前編の『ギュスターヴくん』に続いて、インタビュー後編では、はじめて愛をテーマにした絵本『すきになったら』、SNS上で公開してきた『ボリス絵日記』、そしてファン垂涎のカードBOX『ヒグチユウコ 100POSTCARDS [Animals]』について話を伺った。一過性の猫ブームとは一線を画して創作活動に取り組む、人気画家の信念と真摯な思いが伝わってくる。

『すきになったら』のキャッチコピーは“愛の物語”。ヒグチさんの中では恋愛というより何かを想うことについて描きたかったそう。それは人間であったり、物であったり、何かに挑戦することだったり――。
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『ほんやのねこ (MOEのえほん)』(ヒグチ ユウコ/白泉社)

『ほんやのねこ (MOEのえほん)』(ヒグチ ユウコ/白泉社)

 ヒグチユウコさんが手がける大人気シリーズ、『せかいいちのねこ』『いらないねこ』に続く第3弾『ほんやのねこ』。本作は、謎めいた女主人が営む不思議な本屋が舞台。ユニークなお客さんが次々とやってきて店は大にぎわいに。おなじみの“ニャンコ”や“ギュスターヴくん”のほか、“ツチグリ”や“ひとつめちゃん”など、人気の生きものたちが登場する。個性豊かなお客さんにあわせて店主が本を選んでいくのだが、そのセレクトが素敵で、本好きのみなさんにはたまらないだろう。シリーズを通して担当している名久井直子さんのデザインにも注目だ。
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『いらないねこ (MOEのえほん)』(ヒグチユウコ/白泉社)

『いらないねこ (MOEのえほん)』(ヒグチユウコ/白泉社)

 猫というのはつくづく不思議な生物である。猫と暮らしはじめて半年を迎えるいま、そんなことをしみじみと思っている。とくに不思議なのは、犬のような愛想があるわけではない(むしろとてつもなく無愛想である)にもかかわらず、その存在をどうしようもなく愛しく感じてしまうことだ。

 そんな猫の不思議な魅力を存分に感じられる絵本が『いらないねこ』。本作はねこのぬいぐるみ“ニャンコ”を主人公にした『せかいいちのねこ』に続く第2弾。前作では、本物の猫になるために、猫のひげを集める旅へと出かけたニャンコ。本作では、捨てられて弱った子猫と出会い、“おとうさん”になって子育てをするお話。
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『せかいいちのねこ (MOEのえほん)』(ヒグチユウコ/白泉社)

『せかいいちのねこ (MOEのえほん)』(ヒグチユウコ/白泉社)

 たとえば、冬の季節に身体も心もあたためたいならば、毛布でもコートでもなく、猫が一番。かのレオナルド・ダヴィンチも「猫科の一番小さな動物は最高傑作!」といってはばからなかった通り、猫ほど、人間を癒してくれる愛らしい生き物はいない。そんな猫の魅力がぎっしり詰まった作品は数多く登場していますが、その中でも、もっとも読む人の心に温かさを与えてくれる作品といっても過言ではない絵本がヒグチユウコさんさんの『せかいいちのねこ』(白泉社)。

 持ち主の男の子に永遠に愛されたいと毎日考える、ぬいぐるみのニャンコ。ニャンコは“本物の猫”になればその願いが叶うと信じ、“ヒゲを探す”旅にでかけた先でさまざまな猫たちに出会う。“ぼうしねこ”や“旅のねこ”“おねえさんねこ”……彼らの優しさにふれて、ニャンコは少しずつ成長していく。各シーンでみせるニャンコの表情の変化にも注目してほしい。そして、この本は絵だけではなく、物語の内容も感動必至。クライマックスに近づけば近づくほど、心がじんわりとあたたまる物語なのだ。
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