恩田陸が15年かけて生み出したミステリー・ロマン大作『鈍色幻視行』が発売! 呪われた小説『夜果つるところ』の謎に迫る…

文芸・カルチャー

PR更新日:2023/7/11

鈍色幻視行
鈍色幻視行』(恩田陸/集英社)

 2023年5月26日(金)、人気作家・恩田陸の最新作『鈍色幻視行』が発売された。同作はおよそ15年もの執筆期間を経て書籍化されたミステリー・ロマン大作。謎が謎を呼ぶ波乱の展開は、発売直後からミステリー好きの心を掴んで離さないようだ。

 物語のカギを握るのは、作家・飯合梓の“呪われた”小説『夜果つるところ』。撮影中の事故により何度も映像化が頓挫したといわれる“いわくつきの小説”で、昨年も業界で名の知れたカメラマンがドラマの撮影中に急死している。しかも亡くなる数日前には、「予定のエキストラより人数が一人多くて、その一人がいつも変なところに立ってる」と妙なことをぼやいていたらしい。

 もちろんドラマはお蔵入りとなったものの、そんな矢先に開かれたのが『夜果つるところ』の謎を解き明かすためのクルーズ旅行。物語の主人公にして、飯合梓の謎を追う小説家・蕗谷梢も参加者の一人だ。

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 夫の雅春とともに乗り込んだ豪華客船には、映画監督の角替や映画プロデューサーの進藤、編集者の島崎、漫画家ユニット・真鍋姉妹など、『夜果つるところ』にひとかたならぬ思いを持つ者たちが勢揃い。果たして梢は彼らへの取材から『夜果つるところ』に隠された新事実を見出せるのか。謎と秘密を乗せた長い航海が今、幕を開ける――。

 早くもネット上には同作に対する反響で溢れているようで、「恩田陸のミステリ小説は今まで何作も読んだけれど、これが一番おすすめかもしれない。とてもよい出会いだった」「緊迫感と予測不可能な展開に、ページをめくる手が止まらない」「恩田陸さんの良いところが全部詰まった一冊。これは将来映画になりそう」といった絶賛の声が続出。

 600ページ以上の大作でありながらも、「12時間徹夜で一気読み」「面白すぎて一気に読んじゃった!」などの声も多々見受けられた。

 また多くの読者同様、漫画家のうえはらけいた氏(@ueharakeita)も、同作に魅了された一人。発売日同日には自身のTwitterで『鈍色幻視行』の紹介マンガを公開しており、「出版社ぐるみのとんでもない仕掛けがあります。物語を作る人には特に読んでほしい傑作です」とコメントを寄せている。

鈍色幻視行

鈍色幻視行

鈍色幻視行

鈍色幻視行

 というのも同作の発売からちょうど1カ月後の6月26日(月)、物語の核となった作中小説『夜果つるところ』が実際に発売されるためだ。「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦が結実した一冊で、カバーにも何やら仕掛けが施されているらしい。

 果たして『夜果つるところ』は本当に呪われた小説なのか、旅の最後に辿り着いた「真実」とは…。物語の結末はぜひご自身の目で確めてみてほしい。

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