第2回 つぶやきシローの青空読書 『走れメロス』
更新日:2013/12/20
『走れメロス』太宰治
村の牧人メロスは、たった独りの家族である妹の結婚式準備をするため街へ出る。街には人間不信のため多くの市民を処刑している、暴君ディオニスがいた。メロスは王の暴挙を聞いて激怒し、暗殺を企てる。しかし計画は失敗、すぐに捕らえられ、処刑されることに。しかしメロスは「妹の結婚式を済ませたいので、3日間だけ猶予をくれ」と懇願する。代わりに、街にすむ親友セリヌンティウスを人質にしてくれとの条件で…。メロスの村と街までは約40キロ。途中、数々の困難に遭いながらも、メロスはただひたすら走り続けるのだった。
友情や信頼を考える作品として国語教科書等で扱われ、太宰作品のなかでも知名度の高い小説である。
きっと太宰先生は、神経質で優柔不断な人だったんだろうね。だから、メロスみたいな「思い立ったら吉日!」っていうアツくてバカ正直な人間に憧れていたんじゃないかな。ぼくはこの本を読んで、メロスの人間臭さが気になったね。
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まずね、メロスはね、おねむさんなんだよね。ちょっと一眠りしたり、うとうとまどろんじゃったり、結構だらだらしてるでしょ。早く街へ帰らないといけないのにね。そりゃ40キロも走ったら誰でも眠くなるからしょうがないけどね。
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ぼくのなかで2年ルールっていうのがあって、2年使ってない洋服とかは捨てるようにしてるのよ。メロスとセリヌンティウスは2年降りに会った仲なんだよね。久しぶりに呼び出されて、快く人質になってあげたセリヌンティウスの方が偉いような気がするよね。
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最後にさ、メロスはセリヌンティウスに、「走るのを諦めようとした俺を殴ってくれ」って言うのよ。セリヌンティウスもね、「俺もお前を疑ったから殴ってくれ」って。そんなこと言わなくてもいいのに、いいヤツだよね。殴り合って男の友情を確認し合うんだけど、普通は自分の変わりに捕われの身になってくれた親友を殴れないよね。メロスは「腕に唸りをつけ」ちゃってるからね。
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