つぶやきシローの青空読書 『女生徒』を読んだよ
更新日:2013/12/20
『女生徒』太宰治
ある女生徒の、朝起きてから夜寝るまでのたわいない一日を、独白体で描いた作品。思春期の女子ならではの感情の起伏や自意識のあり方がリアルだと、女性読者を中心に高い支持を誇る。1938年に、当時19歳の女性読者から太宰のもとに送付された日記を題材にしたとされる。数ある太宰作品のなかでも、繊細な筆致で人間の心情をえぐり出した短編として、最高傑作の呼び声が高い。
「女生徒」って題名だけ見て、ちょっとセクシーな恋物語なんじゃないかってヘンな期待持っちゃったのよ。むかしドラマで「高校教師」っていうのが流行ったからね。でも、ある女生徒の一日の心情がひたすら続くだけで、残念ながらそういう描写は一切ないんだよね。
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この子はね、厚化粧のおばさんを「ぶってやりたい」と思ったり、足が悪くてかわいそうな犬に「わざと意地悪くしてやる」とか、結構残酷なこと考えてるのよ。自分がキレイでありたいっていう願望から、汚らわしいものを遠ざけてるんだろうね。確かに女の子って、可愛い可愛くないで物事を判断しちゃうとこあるよね。
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あと、心のなかでひそかに賭けするの、女の子もやるんだね。しかもこの子ね、「この可愛い風呂敷を見つめてくれたらお嫁に行ってもいいわ」とか、結構大胆なのよ。ぼくは「このゴミが一発でゴミ箱に入ったら、明日の席替えいい感じ」とか、小さい賭けをしてたね。
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