広瀬香美「書いてみてわかった。私の歩んできた日々はすべて音楽と密接につながっている」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、歌手の広瀬香美さん。自伝的エッセイ『絶対音感のドレミちゃん』で、絶対音感を持つ者の宿命を記したなかには、前を向いて進むための言葉もいっぱい。そんな初エッセイ執筆中のエピソードを訊いた。
「作詞をしているので“書くことは大丈夫!”と考えていたのですが、エッセイは過去の体験を感情とともに、こまかなところまで掘り起こしていく作業が大変で、執筆に1年もかかってしまいました」
絶対音感を身に付けたことで周囲に起こったさまざまな出来事、デビューから現在に至るまでの記憶、そうしたものを鮮明に思い出させてくれたのは自身のヒット曲の数々だったという。
「“苦しかったのはあの曲を歌っていた頃だな”とか。私の歩んできた日々は、すべて音楽と密接につながっていることが、書いてみて、さらにはっきりとしました」
2部で構成されている本書は、後半部分で、歌手や作曲家などプロの音楽家になるための具体的なアドバイスも綴られている。
「“自分の力を信じ…