注目の美術家が創る、まったく新しいスタイルの「ジョジョ」
auのデザインプロジェクト「iida」や、「ゆず」のPVやステージセットなどで知られ、今もっとも注目されている現代美術家の名和晃平。『ダ・ヴィンチ』8月号誌上にて人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズとコラボレートし、登場キャラクターのジャイロ・ツェペリの彫刻をつくりあげた。
その工程は、実存するフィギュアをCCDカメラで撮影・処理して3次元形状をデジタル情報化するというまったく新しいスタイル。ただし、専用装置を使った作業自体は、実際に彫刻を彫るのと同じ丹念な手作業だ。 「ジャイロ・ツェペリの回転の力をイメージしました。ジャイロ自身をエネルギー体として表現すると、こういう感じになると思う。ちょうど3Dエフェクトを開発していたので、その技術を生かした初の作品になります」
作品では偶然出てくる形を狙うのだという。まず何十通りも造り、その中から二つの方向性に絞り込み、そこからさらに10体ほど造り、また二つに絞り込む。そうした工程を繰り返すことによって偶然できた形を洗練させていくのだ。 「作品では素材の質感にこだわっていますが、今回はあえて質感が…