冷蔵庫は「スカスカ」と「キツキツ」、どちらがお得? 省エネのプロが教える目からウロコの節電術

暮らし

公開日:2023/4/14

みんなの節電生活──省エネのプロが教える
みんなの節電生活──省エネのプロが教える』(木村俊雄/自由国民社)

 止まらない値上げラッシュは家計を火の車にしたり、貯蓄をすり減らしたりと大打撃を与えている。特に暮らしに直結する電気料金の値上げは大ダメージ。大手電力会社が電気料金の値上げを経済産業省に申請したニュースを受け、少しでも使用料金を安くしようと様々な対策を実践し始めた人も多いのではないだろうか。

 そんな時に役立てたいのが、今日からできる節電術をわかりやすく解説する『みんなの節電生活──省エネのプロが教える』(木村俊雄/自由国民社)。著者の木村俊雄氏は、元東京電力福島第一原発エンジニアを経て、現在は自家発電の電気だけでオフグリッド生活を送っている異色の経歴。本書ではイラストを交えながら、電気代の高騰に負けない“賢い節電法”を紹介している。


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使っていない家電は「節電タップ」で賢く節電

 現代人は電気をムダに使いすぎていると指摘する木村氏は本書内で“セツデン侍”として、電気代高騰の原因を解説した上で、1カ月を通して実践できる具体的な節電法を公開。節電法は初級、中級、上級に分けられているので、初めて節電に取り組む方も少しずつ意識を変えていける。

 意外と意識していないのが、観ていないテレビの主電源を切ること。テレビの待機電力は型番の新旧やサイズによっても異なるが、20ワット程度あるものも少なくなく、就寝時間を8時間とすると1カ月で約170円がムダになっているそう。家電の正確な消費電力はワットチェッカーで計測することができるので、まずは現状を知るところから始めてみよう。

 1日に何度もコンセントを抜き差しするのが面倒な方は、延長コードの各コンセント部分にON、OFFを切り替えられるスイッチがついた「節電タップ」を活用しよう。ムダな待機電力を消費している家電を節電タップに繋ぎ、OFFにしておけば、長時間使わない家電の待機電力を節電できる。

みんなの節電生活

 ただし、節電タップを使用する際は火事の危険性があるので、たこ足配線で多くの家電に繋がず、コンセントとプラグの間にホコリが溜まらないよう、まめに掃除を。

冷蔵庫は「スカスカ」、冷凍庫は「キツキツ」にするのが正解!

 とはいえ、家の中には主電源を切ることが難しい家電もある。例えば、冷蔵庫はほとんどの家庭で24時間つけっぱなしにされているはずだ。だが、使い方次第では消費電力量に大きな差が生まれる。

 著者いわく、冷蔵庫は食品をたくさん詰めすぎず、隙間が多い「スカスカ」の状態にすることや、食品を中央部分に集めて壁側に冷気の通り道を作ることがポイントなのだそう。なぜなら、冷蔵庫は庫内の温度計が庫内温度の上昇を感知するとコンプレッサーが作動し、冷風を出して冷却するというシステムだから。温度計近辺の温度を低く保つことができれば、ムダにコンプレッサーを作動させることなく効率よく冷却ができ、電気の浪費を抑えることができるのだとか。

 ただし、冷凍庫は反対に「キツキツ」にするのが肝。冷凍庫も冷蔵庫と同じく、庫内温度が上昇した時にコンプレッサーが作動して温度を下げようとするため、すでに凍ったものをなるべくたくさん詰め込み、温度の上昇を抑えることが大切なのだという。

 著者によれば、冷凍庫内の空きスペースがあったら水を入れて凍らせたペットボトルや保冷剤を詰めておくとよいとか。「節電」と聞くと生活が窮屈になりそうなイメージだが、家電の使い方をちょっと変えるだけでも、電気代を安くすることができるのだ。

みんなの節電生活

 他にも、「煮込み料理は“保温”を活用」、「洗濯は“お急ぎモード”で」など、賢い電気の使い方アイデアが盛り沢山。数々の節電法を知れば、電気という資源をもっと大切に使おうという意識に変わっていくはずだ。

文=古川諭香

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