TikTokのフォロワー数15万人超クリエイターの“感情の世界”。感傷と感情の言葉のストック、増やしませんか?

文芸・カルチャー

更新日:2023/3/28

感傷と感情の言の葉帳
感傷と感情の言の葉帳』(ねる屋。/KADOKAWA)

「ねる屋。」という動画クリエイターの名を聞いたことがあるだろうか。彼が生み出す動画の世界観には、多くの人々から共感の声が集まっている。彼が繰り出す「孤独」と「喜び」、「恐怖」や「感動」は、時に切実であり、時に瑞々しく、多くの人々の心に響いている。そして、その世界観を支える「言葉」をより深く味わい、心に刻み込むことができるのが、彼の著書『感傷と感情の言の葉帳』(KADOKAWA)だ。

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 この本には、言葉に表しにくい心の機微を言語化できる約400語の言葉が収録されている。言葉は、それを表現する漢字一文字で分類分けされ、さながら現代版の国語辞典のようだ。著者である「ねる屋。」は、TikTokのフォロワー数15万人以上(2023年3月現在)、発信する作品は10万以上の「いいね」を獲得し、Z世代を中心に多くのファンの心を掴んでいる。そんな彼が集めた言葉達には、現代の若者が抱く葛藤を知りながらも、それを打ち砕いていく希望があり、心の支えとなる力があるだろう。

 言葉と共に本書には、「ねる屋。」が撮影し、彼の仲間達と生み出した写真作品や、共同制作者が紡いだ詩も掲載されており、多くのクリエイターが知恵と技術を提供した作品集としての機能も併せ持っている。誰もがクリエイターになれる現代において、本書は発想の引き出しを増やす「アイデア帳」としても役立つだろう。

『感傷と感情の言の葉帳』は、SNSやYouTubeなどで日々の情報に飽和した現代社会において、私たちが忘れがちな感情の世界を再発見し、心の奥底にある感情を見つめ直すきっかけを与えてくれる。彼が独自の言葉で表現する「空っぽの寂しさ」や「奥底から湧き上がる喜び」といった感情は読者の心を深く揺さぶり、自分自身の感情に向き合うことで、新しい気づきや癒しを得ることができるだろう。

 若い世代を中心に支持を受ける「ねる屋。」の感情の世界を垣間見ることができる、貴重な一冊。ぜひ手に取り、その言葉に耳を傾けてみてほしい。

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