夫、姑、子どもにも…子育て中のイライラが止まらない!――ママたちの “あるあるな悩み”を、ママ界の人気インフルエンサーがズバリ解決!

暮らし

公開日:2023/6/28

LOVE自分子育て
自分と夫を嫌いにならない思考術 LOVE自分子育て』(バブリーたまみ/自由国民社)

 どれだけ事前に知識を入れておいても、いっぱいいっぱいになってしまうのが子育て。夫との関係がギクシャクし、ワンオペ育児となって自己犠牲が当たり前の日常に苦しさを感じているママは多いことだろう。

 だが、そんな日々は自分を犠牲にしすぎない子育て法を詰め込んだ『自分と夫を嫌いにならない思考術 LOVE自分子育て』(バブリーたまみ/自由国民社)に出会うことで変わるかもしれない。

 著者のバブリーたまみ氏はママ界で人気のインフルエンサーで、オンラインサロンには延べ1400人ものママが在籍。ママやパパ、子ども向けのイベントを全国で開催し、SNSやYouTube、Voicy、歌を通して「ママの笑顔が一番」というメッセージを届けている。

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 本書では6組の夫婦のケースを通して、過去に著者が相談に乗ったママとパパのリアルな悩みや自身の苦しんだ日常を掲載。漫画パートとまるで実際にお悩み相談にのってもらっているようなフランクな文体の対話パートで構成されているため、子育てで忙しく、まとまった時間が取れない人でも読みやすくなっている。

 様々な悩みを抱える夫婦に著者独自の切れ味のいい回答で問題を解決方向に導いていく。世間一般の価値観に振り回されず、幸せな家庭を作るヒントが詰め込まれているのだ。

子どもにイライラしちゃう自分に自己嫌悪する“真面目ママ”に必要なのは?

 子育てで一番大変だったのは、子どもを育てるというよりも他人(夫)と共通の人物(子ども)を育てることだった――。

 そう語る著者は、様々なシチュエーションの夫婦問題を紹介。夫婦の役割に「当たり前」を求めがち妻と地雷踏みっぱなし夫や、産後間もないガルガル期妻と孫フィーバー姑にどこか他人事夫など、登場する夫婦のキャラ設定は実に具体的で感情移入しやすい。

 対話パートでは妻と夫それぞれの視点に立ったアドバイスが盛り込まれているため、読者は自分たち夫婦の間にある考え方のズレに気づくことができる。

 育児中は、想定外のことばかり起きるもの。真面目で完璧主義な人ほど思い通りにいかない子育てに頭を抱え、心を苦しめてしまう。本書に登場する、あすかという登場人物もそのひとり。彼女は2児を持つワーママ。時短勤務で職場に復帰したが仕事と育児に追われ、寝不足になり心身共にボロボロな状態。言うことを聞かない子どもにイライラしては、自己嫌悪する日々を送っていた。

LOVE自分子育て

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 そんな彼女に著者は「ママになったとしても、ママの人生はママが主役」と優しい言葉をかけ、自分が思う大事な人リストの中に自分自身も入れてあげようと諭す。そして、自己否定の日々から抜け出すための、“自分を嫌いにならない子育て思考術”を伝授する。

 著者いわく、自分を嫌いにならない子育てをするために重要なのは、自分自身を大事に扱うことなのだそう。自分を大切にするとは、どんな感情も宝物だと思い、ありのままの自分を受け止めて、自分の心に素直になることだ。

 子どもにイライラしてしまうと、ネガティブな気持ちになった自分を責めてしまうこともあるが、その苛立ちは自身の人格や性格のせいではなく、今の環境に原因があるから。

 そのため、まずはそうした事実を認識し、「大変だったね」という自分を労る必要があるのだそう。そして、一瞬でもよいので逃げる、離れるなど、楽になれることを自分優先で考えようと訴えている。

LOVE自分子育て

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「ダメなお母さんとか世間一般と比べなくていいから。あなたらしい子育てをすればいいの」

「母であっても弱くていい。吐き出していい。自分を優先にしていい。むしろ母親だからこそ、自分を大事にしていい。私はそれが子育てで一番大事なことだと思う」

 こういった著者の言葉で、張りつめていた心が救われる人はどれだけ多いことだろうか。ママが笑顔でいられることが子どもにとっては一番重要で、夫婦仲の良さにも繋がるという。日々の忙しさで分からなくなってしまう家庭修復のヒントを教えてくれるのだ。

 なお、子育て中の夫の役割も会社での仕事に例えてイメージしやすく解説しているので、産後女性の体調やホルモンバランスによる心の変化なども、パパたちにも理解しやすいはず。

 子育ては完璧じゃなくてもいい。それに、夫婦喧嘩をゼロにするのは不可能だけれど、喧嘩があってもパートナーを敵だとみなさず、目の前の問題に向かって支え合って子育てをしていくことはできる。著者の子育て論に出会い、肩の荷が下りる夫婦が増えてほしい。

文=古川諭香

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