「タイ料理が食べたい」欲を満たす! 現地味が簡単に再現できる おうちタイごはん

暮らし

更新日:2023/8/3

はじめてなのに現地味 おうちタイごはん
はじめてなのに現地味 おうちタイごはん』(味澤ペンシー/主婦の友社)

 暑くなるとスパイスのきいたアジア料理が無性に食べたくなってくる。現地の味を知っている人なら、なおさら本場でしか味わえないあの鮮烈な香りや味が恋しくなることだろう。

 だからといって、家でアジア料理を作って楽しんでいる人は案外少ない。そこには日本では手に入りにくい特有の食材や調味料の壁があり、そのハードルの高さがネックになっているのだと思う。

 でも最近発売されたタイ料理のレシピ本『はじめてなのに現地味 おうちタイごはん』(味澤ペンシー/主婦の友社)を読むと、「あれ、意外と家でも作れるかも…?」と思えてくる。タイ料理をレシピに起こすと、焼いて炒める、混ぜてあえるという単純な工程がほとんど。調理自体は実はけっこう簡単なのだ。

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揃えたい調味料は4つ。でもなくても大丈夫!

 現地のタイ料理を目指すなら、やっぱり現地の調味料を揃えたいところ。本書がナンプラーの次に揃えてほしいとすすめるのは、以下の4つ。最近は輸入食材を扱う店も増えており、手に入れやすくなっている。

〈現地味を目指すならぜひ揃えたい調味料4選〉
・シーユーダム…大豆を原料に、糖蜜を加えて造るタイの甘口しょうゆ。
・シーユーカオ…大豆から造られる、タイのしょうゆ。シーユーはしょうゆ、カオは白という意味。
・シーズニングソース…大豆を原料とした、濃厚な味と香りの調味料。
・タオチオ…原料は大豆。塩けの強いとろりとしたソースで、「タイのみそ」と紹介されることも。

はじめてなのに現地味 おうちタイごはん P8-9

 これらの調味料は本書の至る所で登場するのだが、家の近くに売っていないという場合もあるだろう。そんな人のために本書にはちゃんと手に入れやすい代用品が記載されているのでご心配なく。試しに今回はその代用品を使ったレシピで作ってみたが、それでもかなり本格派の仕上がりになったのでご紹介しよう。

この夏、何度でも作りたい! 「パットガパオガイ」(P14)

はじめてなのに現地味 おうちタイごはん P14-15

 タイ料理といえば、ガパオ炒め。日本でも人気の料理だが、本書のレシピは調味料を代用しても現地の味にかなり近づける。

 作り方はフライパンに油・にんにくのみじん切り・とうがらしのみじん切りを入れて火にかけ、香りが立ったら鶏ひき肉を加えて炒める。肉の色が変わったらナンプラー、オイスターソース、シーユーカオ&シーズニングソース(※オイスターソースで代用)、シーユーダム(※なければ入れなくてOK)、砂糖、水を加えて炒め、汁気がほぼなくなったらピーマンを加えて炒め、さらにガパオ(またはイタリアンバジル)を加えてさっと混ぜ合わせる。

パットガパオガイ

 熱々のご飯にのせて、カイダーオ(目玉焼き)をのせればできあがり!

パットガパオガイ

 カイダーオ(目玉焼き)は、多めの油でカリッと揚げるように作ると美味。フライパンに油を1/4カップたっぷりと入れて熱し、卵を割り入れて白身のまわりが茶色く色づいたらできあがり。このまま料理にのせたり、カットして具材に使ったりとタイ料理では大活躍してくれる。

パットガパオガイ

 ガパオ=タイのバジルのことなので、本場の味を意識するならバジルは必須! 仕上げにさっと炒めることで爽やかな香りが広がり、「そうそう、これこれ!」と頷ける味になった。ふちがカリッと揚がった目玉焼きも最高。調理時間も10分くらいと本当に簡単だったので、これはまたすぐにでも作りたいと思った。

すっぱ辛いたれが、ビールに合う! 「ヤムウンセン」(P.31)

はじめてなのに現地味 おうちタイごはん P30-31

 もう1品は私の大好きなタイのはるさめサラダ「ヤムウンセン」。これも材料をゆでてあえるだけの手軽なレシピだ。

 はるさめときくらげ(乾燥)は水で戻してそれぞれカット。ボウルに調味料(にんにくのみじん切り、とうがらしの小口切り、ナンプラー、砂糖、レモン汁)を混ぜておく。えびは殻をむいて背に身の半分くらいまで切り込みを入れて背わたをとる。野菜(紫玉ねぎ、にんじん、セロリの茎と葉、細ねぎ、パクチー)はそれぞれ食べやすい大きさにカットして水に放す。これで下ごしらえは終わり。

 続いて鍋に湯を沸かし、はるさめと乾燥きくらげをゆでてボウルにとり、同じ鍋でえびと豚ひき肉をゆでてボウルに加える。

ヤムウンセン

 野菜の水気を切ってボウルに加え、ざっくりと混ぜ合わせたら器に盛りつけて完成。

ヤムウンセン

 野菜たっぷり、えびも大きくてぷりぷり! ピリッと辛く甘酸っぱいたれがからんだはるさめもおいしく、まさにこれからの季節にぴったりの一皿。仕事終わりにこれとビールがあったら、もうそれだけで幸せになれる。えびがなかったり、もっとボリュームを増やしたりしたい場合は、ガパオ炒めでのせたカイダーオ(目玉焼き)を一口大に切って混ぜても◎。ナンプラー好きにはたまらない一皿だ。

 2品作ってみたが、実践してみるとどちらも思っていたよりもハードルが低いことに驚いた。本書にはほかにもパッタイ、カオマンガイ、トムヤムクン、グリーンカレーなど、手軽に現地の味が再現できるタイ料理のレシピが満載。タイ式の朝ごはんや青いパパイヤを使ったイーサン地方のソムタム、スイーツまで網羅されており、コアなタイ料理ファンも満足できる内容だ。

 夏に突然湧き起こる「タイ料理が食べたい!」という欲望をとことん満たしてくれる一冊。この夏はおうちにいながら、旅行気分に浸ってみては?

文=齋藤久美子

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