「ChatGPT」は結局何ができて何が課題なのか。『先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』

ビジネス

公開日:2023/7/21

先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来
先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』(古川渉一、酒井麻里子/インプレス)

 式辞の一部で使われたり、ユニークな応答がSNSで拡散されたり、すでに一部企業ではカスタマーサービスやコンテンツ制作でも活用され始めているといわれるChatGPT(チャットジーピーティー)。実際、私もChatGPTを仕事、あるいは趣味に活用しているが、まだまだ活用しきれているとはいえない。ChatGPTへの興味は増すばかりだ。

 これだけあちらこちらで見聞きする機会が増えた「ChatGPT」に、少なくない方々が関心をもっているだろう。本記事では、「ChatGPTに興味があるけれど、結局、何ができるの?」「使ってみたいけど、なんだか難しそう」といったChatGPTをあまり知らない方々と、ChatGPTの実力や可能性、課題をコンパクトに紹介した『先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』(古川渉一、酒井麻里子/インプレス)の中身を、少しだけ共有したい。

 まず、ChatGPTとはどういうものか。本書によると、ChatGPTは「会話形式で文章を生成するAI」であり、例えばスマートフォンで活用できるSiriと違うところは、Web上の大量のデータを学習済みであり、ある程度賢い状態になったものである点と、同様にある程度形式的なものを実行するのではなく「新たな答えを生成できる」点にある、という。

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 また、本書はChatGPTの魅力について、1往復ではなく連続して対話できることを挙げており、壁打ち相手のような使い方で強みを発揮する、としているが、注意点もある。知られているとおり、間違ったこともたくさん言う、という弱点だ。このため、本書は、ChatGPTに丸投げするのではなく、手直しやファクトチェックを前提に活用するツールだ、としている。

 さて、冒頭でChatGPTは一部企業で活用され始めている、と述べたが、具体的にはどのような使われ方をされているのだろうか。本書によると、次のような例がある。

・Web記事作成
・キャッチコピーや企画を考える
・顧客対応やカスタマーサポート(メール文作成)
・プログラミング(プログラムの一部となるコードの作成)
・創作活動(小説、標語、俳句)
・検索エンジンの代わりとして

 記事や原稿、メール文などを作成する際は、ChatGPTだけで完結するのではなく、“パートナー”としてたたき台や素案などを作成させ、キャッチコピーや企画などの案を考えるときはヒントとなるアイデアとして数を出させる、といった使い方がよさそうだ。

 最後に、本書の内容からは外れるが、ChatGPTのリアルな活用事例をひとつ、紹介してみたい。

 本原稿をここまで執筆し、私はChatGPTに、

「ChatGPTについてのブックレビューの記事を書いている最中です。記事の最後の締めくくりの文を考えてください。」

 と打ち込んだ。すぐさま、次の回答を得た。これを本記事の締めくくりとする。

「この本を読んで、私はChatGPTがただのAIではなく、文字に魂を吹き込む魔法使いであることを知った。そして、この魔法を使いこなすことができるのは、私たち人間だけではないだろうか。」

文=ルートつつみ (@root223

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