聞いたことない世界の名物料理を作ったら名前からは想像つかない美味しさだった! 「ホゲ」「ジョロフライス」を作ってみた

暮らし

公開日:2023/9/16

地球のかじり方 世界のレシピBOOK
地球のかじり方 世界のレシピBOOK』(地球の歩き方編集室:監修、佐藤わか子:料理制作/Gakken刊)

 世界各国には、まだまだ見たことも聞いたこともない料理がたくさんある。筆者はそういう初めての料理に出会ったときの、視界が開けるような感覚が大好きだ。「この調味料にはこんな使い方があったのか!」「この食材を組み合わせる発想はなかった!」と、水を得た魚のような気持ちになる。

「第10回 料理レシピ本大賞 in Japan 2023」にて「ニュースなレシピ賞」を受賞した『地球のかじり方 世界のレシピBOOK』(地球の歩き方編集室:監修、佐藤わか子:料理制作/Gakken刊)は、そうした新しい出会いをくれる、世界中の食に関する情報や料理を集めたレシピ本。62の国と地域に根づいている名物料理が89品も掲載されている本書の充実度は、日本で最も発行タイトル数の多い海外旅行ガイドブック「地球の歩き方」編集室監修ならでは。ページをめくるごとに目を引く料理が出てくる……!

 そこで、筆者が食べたことのない料理から、味が気になる、普段使いのレパートリーに加えられそうなお手軽さも兼ね備えているものを2つピックアップし、実際に作ってみることにした。

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「ホゲ」(ブータン)

地球のかじり方 世界のレシピBOOK

 まずは、ブータンのサラダ「ホゲ」。ボウルに斜め薄切りにしたきゅうり、5mm角に切ったトマト、スライスした紫玉ねぎ、カッテージチーズ、みじん切りにした生姜、花椒を入れてよく混ぜ、塩とカイエンペッパーで味を調えて完成。

 紫玉ねぎは元々辛みが穏やかで生食向きではあるが、カッテージチーズで和えることで角が取れてより食べやすい一品に。生姜や花椒によってスパイシーな爽やかさがあり、それと塩味がみずみずしい野菜と絡んで、まだまだ暑いこの時期にぴったり! 時間が経つと野菜から水分が出てしまうため作り置きには向かないが、切って和えるだけのお手軽料理なので、ぜひとも作りたてのフレッシュな状態で食べてほしい。

「ジョロフライス」(ナイジェリア)

地球のかじり方 世界のレシピBOOK

 続いて、ナイジェリアの炊き込みごはん「ジョロフライス」。最初に骨付き鶏もも肉を食べやすい大きさに切り、にんにく(すりおろし)、クミンパウダー、ナツメグパウダー、塩、カイエンペッパー、こしょうを揉み込んで冷蔵庫に30分置き、サラダ油を熱したフライパンで表面を焼いて取り出す。同じフライパンで角切りにしたにんじん、みじん切りにした玉ねぎを炒め、焼き色がついたら、1㎝大に切ったピーマン、トマトペースト、先ほど肉に揉み込んだ調味料と同じもの、ジャスミンライスを加えてさらに炒めて、コンソメと水、塩を加えて混ぜる。あとは焼いておいた鶏肉をのせ、蓋をして煮立たせ弱火で12分加熱し、火を止めて10分蒸らして完成。

 鶏肉とトマトの強いうまみ、野菜の甘さにスパイスを効かせることで、全ての食材がまとまりを見せ驚くほどバランスの取れた味わいに。出汁が出やすい食材を使っているためか、スパイス3種類とは思えない奥深さもしっかりとある。フライパン1つでできるので、覚えてしまえば大活躍しそう……!

 どちらも名前すら初めて聞く料理だったが、いざ作ってみると思いのほか簡単で、これまで知らなかったことを悔やむレベルにおいしかった。本書には、ほかにもモザンビークの「ペリペリチキン」やオランダの「エルテンスープ」、タヒチの「ポワソン・クリュ」など、試してみたい料理がたくさん。馴染みのある料理もいいが、たまにはこの『地球のかじり方』で、見たことも聞いたこともない料理にチャレンジしてみるのもアリ! きっと、初めて食べる組み合わせに驚き、心を奪われることだろう。

調理、文=月乃雫

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