レシピ本大賞受賞の「満月珈琲店のレシピ帖」最新作! 三毛猫マスターと旅をする幻想レシピ

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PR公開日:2024/4/4

世界を巡る満月珈琲店
世界を巡る満月珈琲店』(桜田千尋/主婦の友社)

 慌ただしい日々を過ごしていると、ふと非日常な世界へ迷い込みたくなることがある。バスや電車で終着点まで行ってみたり、通ったことのない路地へ入ってみたり、新たなカフェやレストランを開拓してみたり……。こうしたいつもと違う情報に触れた際に得られる、視界が開けたような、心が洗われるような感覚がたまらなく好きなのは、きっと筆者だけではないはず。

世界を巡る満月珈琲店』(桜田千尋/主婦の友社)は、そんな「見たい世界」をぎゅっと詰め合わせたような、冒険と魅力的かつ気になる料理を同時に楽しめるレシピ本。2024年3月25日に発売されたばかりの本作は、2022年にレシピ本大賞(お菓子部門)を受賞した「満月珈琲店のレシピ帖」シリーズの第3弾だ。

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 疲れた人だけがたどり着けるという「満月珈琲店」は、三毛猫マスターが営む、世界中の夜を旅するお店。ページをめくるごとに新しい世界へと誘われ、美しく幻想的な景色と料理を見せてくれる。道に迷った読者が最初に招かれるのは、穏やかに微笑む三毛猫マスターが迎えてくれる、銀河をもとにした特別なメニューを出しているという小さな屋台。

世界を巡る満月珈琲店

 このお店で提供してくれるのは、その日沈んだばかりの太陽をカットしてちりばめた「太陽のかき氷」と、生まれたばかりの惑星たちをカリッと揚げた「惑星ベビーの揚げ団子」。宇宙をイメージさせる黒い背景に、太陽の欠片と惑星ベビーたちがキラキラと輝いている。

世界を巡る満月珈琲店

 この時点でもう、壮大な宇宙を味見するという特別感にワクワクが止まらない。いったいどんな味で癒してくれるのだろう?

 そして本書の魅力は、満月珈琲店で提供されているメニューを実際に作って食べられるという点。もちろん実際に太陽や惑星を使うわけではないが、想像する味も込みでイメージを崩さない、特別でほっとする、疲れた心身に染みわたるようなメニューに仕上がっており、一層食べたい欲を刺激してくる。惑星を頬張る贅沢、筆者も味わいたい……!

世界を巡る満月珈琲店

 その後も、夕暮れのキャラバンキャンプ、窓からオーロラのカーテンが見える最南端の島、時計のないゆっくりとした時が流れる無人島、ネオンがきらめく大都会のはずれ、スコールの降るジャングルなど、特色のあるエリアで「本当にあってほしい!」と思わずにはいられない心躍るメニューを次々と提供してくれる。

世界を巡る満月珈琲店

 疲れた先にこんなご褒美があるのなら、喜んで疲れたい……! 「土星のオニオンリングバーガー」をブラックホールになった気分で食べた暁には、壮大な全能感を得られそうだ。

世界を巡る満月珈琲店

 個人的には、「スコールのジュース」も非常に魅力的で気になった。もう、今日から雨雲がおいしい恵みにしか見えない。こんなの飲んでみたいに決まっている。

 この『世界を巡る満月珈琲店』には、ほかにも多数の旅と世界、魅惑的なグルメがストーリー仕立てで紹介されている。実際に作って楽しみたい料理好きさんはもちろん、料理をしない人、作りたいわけじゃないけど……という人でも、見ているだけで十分癒しを得られるし引き込まれる。日々に疲れたときは、本書の世界に迷い込み、三毛猫マスターの料理と案内に身をゆだねてみては?

文=月乃雫

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