【「男飯」漫画特集(2)】長年「料理漫画」を支えてきた『クッキングパパ』! 長寿の秘訣はハートフルなドラマと試したくなるレシピ【作ってみた!】

アニメ・マンガ

2017/9/23

『クッキングパパ』(うえやまとち/講談社)

 ちょっと本屋に立ち寄ってコミック売り場を見てみれば、特設コーナーが存在するほどアツい「料理漫画」。とはいえ、このような流れも一朝一夕でできあがったわけではない。1970年代に描かれた『包丁人味平』など、先達の活躍があったからこそ今のブームがあるのだ。そして1980年代に連載が始まり、現在まで「料理漫画」の面白さを伝え続けているレジェンド的なタイトルも存在する。それが『クッキングパパ』(うえやまとち/講談社)だ。

 この作品は1985年に講談社発行の漫画週刊誌『モーニング』で連載が始まり、現在まで30年以上も続いている長寿漫画で、1992年にはテレビアニメにもなっているほど人気を博している。物語は、料理の達人であるサラリーマン・荒岩一味が家族や友人たちと日々の生活を送りながら、さまざまな料理を作っていくというファミリードラマ。連載ページの中に詳細なレシピが掲載されており、現在の料理漫画に多く見られる「再現可能」というタイプの「元祖」ともいえるだろう。

 このような長寿作品はおよそ「時の流れ」が止まっている場合が多く、季節は流れても主人公たちの関係などは変わらないのだが、本作は異なる。もちろん現実と同じ経過ではないが、主人公の肩書きが変わったり、子供たちが成長したりもしているのだ。例えば連載中に主人公の妻・虹子が生んだ娘・みゆきは最新巻である142巻現在、中学生になっている。そして父親同様、料理に興味を持ってさまざまなレシピにチャレンジ。その中で、面白そうなものがあったので作ってみることにした。

【里イモポテサラ】


 みゆきが中学生になる前の3月に、友人たちと雛祭りをすることに。そのとき、みゆきが作ってきた料理がこれだ。ジャガイモを里イモに替えて作ったというひと皿で、彼女のオリジナルだという。さすが荒岩さんの娘といったところだが、まずは材料から。「里イモ(オヤ)1kg」「ニンジン1本」「タマネギ1個」「むき小エビお好みの量」「カニカマお好みの量でたっぷり」「ゆで玉子3~4個」「パセリ少々」「マヨネーズ70g」「バター10g」「塩小さじ1」「コショウ少々」「バルサミコ酢少々」以上である。補足には「具材はこれに限らずハム・ソーセージ類やフルーツなどもOKです」とあるが、まずはスタンダードに試してみた。作りかたは以下。

1.里イモは皮をむいて大きめにカットし、水洗いする。
2.タマネギはみじん切りにし、ニンジンは5ミリ角に切って下茹でする。
3.むきエビは茹で、卵は沸騰した湯に入れて12分茹でてゆで玉子にする。
4.鍋に水を入れ里イモを20~30分くらい茹でる。
5.火が通ったらカラ煎りして水分をとばし、バターを入れてヘラなどで粗くつぶす。
6.塩・コショウ・マヨネーズを入れて混ぜ、味をみてバルサミコ酢を入れて混ぜ合わせる。
7.水けを切ったニンジン・タマネギ・むきエビを入れてあえる。
8.カニカマをどっさり入れ混ぜ合わせる。
9.器に盛りつけ、粗く刻んだゆで玉子・パセリを散らしてできあがり!!

 ジャガイモを里イモに替えることでねっとりとした食感が加わり、栄養的にも優れているという。確かに里イモが他の食材にねっとりからんで「味の協奏曲」が楽しめる。補足にあったようにさまざまな具材にも合いそうなので、各自が好きなものを入れて試してみてもいいかもしれない。

 この「里イモポテサラ」のように、実践的で自由度の高いレシピが多く掲載されている『クッキングパパ』。アットホームなストーリーと試して楽しい料理レシピ──これこそが、本作が長年にわたって愛され続ける理由なのだといえよう。


調理・文=木谷誠