嘘から始まった最高に切ないラブストーリー。衝撃のラストに感涙の『交換ウソ日記』

小説・エッセイ

2017/11/4

『交換ウソ日記(スターツ出版文庫)』(櫻いいよ/スターツ出版)

 「告白」を最後にしたのは、されたのは、いつですか?  好きな人の噂話、ルーズリーフに書いたラブレター、渡り廊下での告白、手を繋ぎ帰る放課後…。高校生の日常は、甘酸っぱい言葉といつも隣り合わせだ。純粋で真っすぐで不器用な高校生の恋。そんな日々を思い出して、ちょっぴりあの頃に戻りたくなってしまう人も多いのではないだろうか。若々しい恋の物語は、外から眺めているだけでハラハラドキドキ。恋の行方がなかなか読めなかったりするのもまた、もどかしくてたまらない。『交換ウソ日記(スターツ出版文庫)』(櫻いいよ/スターツ出版)を読むと、ますますそんな気持ちになってしまう。

「好きだ」―。高校2年生の希美は、移動教室の机の中で、ただ一言、そう書かれた手紙を見つける。送り主は学校で最もモテる男子、瀬戸山君だった。同学年だけどクラスも校舎も違うふたり。イケメンで成績もよく大人気の瀬戸山君のことを希美は当然知っているが、話したことはなく、彼が自分のことを知っているとも思えずに不審がる。生徒会の放送委員に所属し、流行りに乗れずこっそりとヘヴィーメタルを愛する希美は、どこか自分に自信を持てずにいる。そんな希美とは反対に、いつもたくさんの友達や女の子に囲まれている人気者の瀬戸山君に、彼女は見えない壁のようなものをも感じていた。

 誰かのいたずらなのかもしれない。恥ずかしい思いはしたくない。戸惑った希美は、「ありがとう」とだけ書いた手紙を瀬戸山君の靴箱に入れた。そうして始まったふたりの交換日記。しかしどこかで少しずつずれていくやり取り。自分の気持ちを素直に伝えることが苦手な希美は、ウソをついてしまう。ねじれてゆく事態は思いもよらぬ展開を巡り、予想外のラストへと繋がっていく。

『交換ウソ日記』読者からは次のような感想が集まっている。

「久しぶりに純粋に恋って良いなぁと思えた。お互いを尊重して理解しようとすることって大切。思っていることを口に出すことはもっと大切だと考えさせられる作品」(ゆこりん)

「”恋”っていいなぁと思いました。私も最近彼ができ、本当の気持ちを伝えていきたいと思いました」(はるか)

「勘違いとウソから始まった交換日記。LINEやメールが全盛の時代に、交換日記をテーマにしているところも面白いと思いました」(porisan)

「2人の交換日記の結末にとてもキュンキュンさせて貰いました」(よう)

 自分に自信が持てず、素直に気持ちを伝えることができない主人公に共感した読者も多いようだ。恋は人を成長させるとはその通りで、希美も瀬戸山君との「交換ウソ日記」を通して内なる自分と格闘し、少しずつ自分のこもっている殻を破り始める。そんな希美の様子は私たちに勇気を与えてくれる。『交換ウソ日記』は恋の切なさ、甘さ、不安感、そして青春のトキメキがはち切れんばかりに詰まった作品だ。

※読者コメントはドワンゴが運営する「読者メーター」より引用

文=K(稲)