「ウソに決まってる!」「正直に言いなさい!」…10歳を過ぎた男の子に言ってはいけない言葉

出産・子育て

公開日:2018/2/16

『10歳を過ぎた男の子に言ってはいけない45の言葉 子どもを伸ばす母親のひと言(マミーズブック)』(小屋野 恵/メイツ出版)

 子どもは大人が思うよりも早く成長する。幼かった子どもが10歳になると、大人のような口の利き方をするときがある。10歳というと、あと倍も生きれば20歳。キャリア教育の一環で2分の1成人式を執り行う小学校まである。

 そんな、大人に向かうステップを上がりはじめた10歳の、特に男の子を持つ母親を対象にした育児書が『10歳を過ぎた男の子に言ってはいけない45の言葉 子どもを伸ばす母親のひと言(マミーズブック)』(小屋野 恵/メイツ出版)だ。45の「わが子につい言ってしまう言葉」と、それぞれのより良い方法が収録されている。

ウソばっかり

「ウソに決まってる!」
「ホントのことを言いなさい!」
「正直に言いなさい!」

10歳を過ぎると、正直に言ったがために事態がこじれたり、ひどい目に遭ったりといった、正直さに対する負の経験も重ねています。

事実をちょっと大げさに、または逆に控え目に伝えたり、というようなワザを使い始めるのです。

 母親から見れば人生経験が短くても、10年の人生の中で、子どもは自分なりの処世術を身に付けている。ウソを言うわが子に、本書は「バレバレのウソなら、黙って見過ごしてあげるのも母親としての知恵と戦略」と述べる。ウソをつくのは、子どもが親に「見せたい自分がある」という理由が隠れている場合も。それなのに、母親が真正面からその偽装をウソだと指摘してしまっては、子どものプライドを粉々に砕いてしまうだけだと、本書は説明している。

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 ウソをつくのは、案外心苦しいもの。それは、大人も子どもも同じ。自分にとって都合の悪いことを正直に打ち明けてくれるときが、子どもを伸ばすチャンスだ。

まずは「よく言ってくれたね」とその勇気を評価することや、「それは嫌だったね」「そういうこともあるよ」と共感してあげることを忘れないでほしいのです。

 正直に言ったときはきちんと褒めることで、子どもはありのままの自分を認めてもらえることを知り、ウソが少なくなっていくという。

 ただし、度が過ぎて現実離れしたウソや、友達をおとしめて自分をよく見せようとするウソが続くようなら、背景に親が思い及ばないトラブルがある可能性があるため、周囲の母親などを通じた情報収集が必要かもしれない、と本書は補足している。

 この他にも、「早く○○しなさい!」「早く寝なさい!」「ゲームをやめなさい!」など、収録されているのはわが子によく言ってしまうような言葉ばかり。10歳になった子どもとの接し方に思い悩んでいる母親に、ぜひ手に取っていただきたい。

文=ルートつつみ