「怒ることで優位に立ちたがる人」「なんでも怒鳴るかわいそうな人」にならないために

社会

2018/4/27

『怒ることで優位に立ちたがる人』(加藤諦三/青春出版社)

 自分が怒っても怒られてもそれは大きなストレスになる。理由はないけどイライラしている、たいしたことではないのに怒鳴る、周囲に敵意を持ってしまう、そんな「怒り」はどこから出てくるのだろうか? 怒らずに済む、怒る人からの影響を少なくするにはどんな方法があるのだろうか?

『怒ることで優位に立ちたがる人』(加藤諦三/青春出版社)では、「なぜ人は怒るのか?」「怒らないためには?」「そんな人との付き合い方は?」など、人々の怒りの心理を探っている。

■すぐ怒るのは傷つきやすい自分を守るため

 怒りには、不安や恐怖の感情が隠れている。それは本能的なものだ。自分の弱さを認めるということは、生命的な危機である。そのために、周りのレベルを下げようとする。そして優越感を覚える。劣等感と優越感は同時に存在しうるものだ。
 しかし本能といえど、母親が子を守るときのような怒りとは違う。いきなり背後から襲われるような危険がない限り、現代では、手放しても良い感覚だ。むしろ、それをコントロールすることで社会を生きやすくなるだろう。

■人と争わない生き方を見つけよう

 すぐ怒る人は、生きる目的がなくなっているという。つまり、自己実現のために生きていないから、自分の弱さを守るために、日々小さなことにもイライラしてしまう。
 もし、生きるうえで目標にしていることや、好きでコツコツとやっていることがあれば、満たされて怒りの感情も小さくなっていくだろう。もし怒ってしまったら「いまは、自分を守るために怒ったんだなあ」と、反省したり、自己を憐れむ気持ちを持ったりしてみてはどうか。そうでなければ、怒るときに自分の非を認めず誰かに責任転嫁している、ということも起こっているかもしれない。

■「かわいそうな人」と思え

 まわりに「すぐ怒る人」がいる場合はどうすればいいだろうか。その対処法は、相手を「かわいそうな人」と捉えるのだ。その人は、己の弱さに操られ、それを必死にごまかそうとしているただかわいそうな人なのだ。
 そんな人に怒鳴られたり、誰かが怒鳴られたりするのを見たりすると、こちらの自尊心が低下してしまう。それは大きなストレスにもなる。なんでも怒る人なのだから、と捉えていちいち付き合う必要はない。ただその人は「かわいそうな」人なのだ。著者によると「“しつこい怒り”は精神的に幼稚な証拠」であるそうだ。

 すぐに怒ったり怒鳴ったりする人は、あなたの前以外でもきっと同じことをしている。自分の防御のために、他人を弱らせようと攻撃しているのだ。彼ら彼女らが怒るたびにひとつひとつ対応していてもキリがない。

 しかし、もしその人が身近な人物で、日常的に関わらざるを得ない場合、その人の弱さがどこから来ているものか、ゆっくり話をしてみても良いかもしれない。本書によれば、幼少期の愛の欠乏が関係している場合もあるという。

 怒る人はかわいそうな人である。せめてその人から何か参考にするなら「人のフリみて我がフリ直せ」といったところであろうか。

文=ジョセート