「尊敬されない上司」にありがち! マネジメント4つの失敗例とは?

ビジネス

2018/6/19

『壁マネジメント 部下の行動をもれなく結果に結びつける!』(山北陽平/あさ出版)

 日大アメフト部の不正タックル問題は、チームにおける監督・コーチというマネジャー(人材を育成指導し、成果につなげる立場の人)の在り方が、大きく問われる展開となった。

 スポーツにもビジネスにもルールがある。そのルールに基づいた動きの中での最善策を指導し、成果につなげるのがマネジャーのミッションである。

 ではマネジャーはどう、部下に指示を出し、その行動を管理し、成果へとつなげるべきなのか。そんな人材マネジメントの新たなノウハウを教えてくれるのが、『壁マネジメント 部下の行動をもれなく結果に結びつける!』(山北陽平/あさ出版)だ。

●「壁マネジメント」とは?

 著者が提唱する「壁マネジメント」は極めてわかりやすい。図をご覧いただこう。この図では、マネジャーが部下の行動の流れに入り込んでいる。そして「壁」を作り、動かないように「壁」を押さえて、成果の出ない「望ましくない行動」に部下が流れないようにせき止めている。このように部下の行動に積極的に「介入」することで成果へつなげていくのが、「壁マネジメント」である。

 マネジャーは動くな、ブレるな、「壁」になれ! というわけだ。

 本書は、壁マネジメントを成功させるための3つのルール(行動ルール・介入ルール・フィードバックルール)、失敗しないための取り組み方、実践&調整法などが、図解入りでわかりやすく解説されている。また、ダメなマネジャーとして4タイプの失敗例が紹介されているので、ここでその4つを紹介しておこう。

失敗例(1)指示だけマネジャー

「行動(仕事)しなさい」とは言うものの、「なにを・どう・いつまでに」など、具体的な指示も行動への介入もないため、部下の「望ましくない行動」にまったく壁が作れていないマネジャー。

失敗例(2)漏れているマネジャー

 介入はするものの気まぐれ的であったり、行動しなかった部下に決めたペナルティを与えなかったりすることで、成果を半減させてしまっているマネジャー。

失敗例(3)押されマネジャー

 部下の強い反発によって壁が押し戻されてしまい、部下の「望ましくない行動」をせき止められないでいるマネジャー。

失敗例(4)そこじゃないマネジャー

「部下が取るべき行動」に対して壁を作ってしまうという、いちばん避けたい失敗例であり、それでいて意外に多いというのが「そこじゃないマネジャー」だ。

 著者によれば、「部下の意見に耳を貸さない」「頭ごなしに否定する」タイプのマネジャーが陥りがちな傾向だという。例えば、企画書の提出を義務付けておきながら、会議の場になると「つまらない」「もっと面白い企画はないのか」など、部下たちのモチベーションを下げる言動ばかりする。その結果、「企画書を出してもいいことはない」と部下たちは考えるようになり、本来すべき行動(企画書の作成・提出)に壁を作ってしまうのだ。

 いかがだろうか? 現在、マネジャー職の人は、自分が上記4つのいずれかに属してしまっていないか、わが身を振り返ってみてはいかがだろうか。もちろん本書には、こうした失敗例はどうすれば克服できるのか、その処方箋もしっかり記されているので、ぜひ、本書をご一読いただきたい。

 また、これから部下を持つという人は、本書で壁マネジメント術を先に学び、その日に備えておくといいだろう。

 壁マネジメントは、チームが一丸となって目的・問題意識を共有し、上下関係にかかわらず等しく努力が求められ、成長と成果をチーム全員が得られるウィン×ウィンのマネジメント術である。本書でそのノウハウを学ぶことで、ビジネス、スポーツ、部活やサークル、コミュニティ運営などに幅広く活用できるだろう。

文=町田光