これって絶対に使ってる!? 子どもの自己肯定感を低くする「3つの呪いの言葉」がヤバイ

出産・子育て

2018/8/19

『子どもの自己肯定感を高める 10の魔法のことば』(石田勝紀/集英社)

 夏休みといえば、親にとっては子どもと接する時間が長くなる時期だ。この時期、特に小中学生のお子さんがいる方々に読んでいただきたいのが、『子どもの自己肯定感を高める 10の魔法のことば』(石田勝紀/集英社)である。

 本書によれば、「自己肯定感」とは、自分の能力や存在価値を自分自身が認めてあげることで、近年、心理学や教育の専門家たちが注目しているキーワードのひとつだ。注目する理由は大きく2つある。ひとつは、自己肯定感が高いか低いかは、人生をハッピーなものにできるか否かの分水嶺になると考えられるようになったからだ。

 そしてもうひとつは、自己肯定感は「他者の言動によって、高低が大きく影響する」ことと、「子どもの頃の自己肯定感が大人になっても影響を及ぼす」からである。

■親のさりげない言葉が子どもの自己肯定感をつぶしている

 つまり、子どものハッピーな将来を思うのならば、「自己肯定感を高めてあげる言葉を使うこと」が、いわば親の務めなのである。

 著者の石田氏は、20歳で学習塾を起業して以来、30年近く教育分野に従事し、「東洋経済オンライン」で執筆中の連載コラムが5700万PVを突破するほど、親世代からの信頼も厚いカリスマ先生だ。そんな著者が、これまで5万人以上の子どもを育ててきた経験から得た確信のひとつを、こう本書に記している。

子どもは勝手にはつぶれない。
子どもは親によってつぶされている。
という現実でした。
そして何がつぶされるのかといえば、それは自己肯定感です。
(中略)
親の言葉が変わると、子どもの自己肯定感が上がります。
親の言葉が変わると、子どもの将来も変わります。(本書より引用)

 著者が本書でまず取り上げているのは、自己肯定感の説明、自己肯定感が高い子ども・低い子どもを見分ける際に有効な口癖、そして子どもたちをつぶしてしまう「3つの呪いの言葉」である。

■子どもたちをつぶしてしまう「3つの呪いの言葉」

 それが「早くしなさい」「ちゃんとしなさい」「勉強しなさい」だという。

 小学生の親ならどれも毎日のように使っている言葉が、じつはどれも「呪いの言葉」なのだそうだ。

 そのすべてを解説しているとスペースが足りないので、ここでは「勉強しなさい」をテーマにして記事を構成することにしよう。

 著者によれば、「『勉強しなさい』と一回言うたび、偏差値がひとつ下がる。それほどに負のパワーを持つ言葉」なのだそうだ。

 そして勉強ができる子どもは「楽しいからやる」「面白いからやる」のであって、強制されてやっているわけではないという。学力を上げるために必要なことはたったひとつで、それは「子どもの心の状態を上向きにさせること」に尽きるという。

 本書にはそのための方法も記されているので、ぜひ、参考にしてほしい。

 親がヒステリックに「勉強しなさい」と言うことのデメリットは、大きく2つあるという。「子どもの心を下向きにさせ、勉強意欲を無くすこと」に加えて「自分はそこまで言われないとやれないダメな子なんだ」という自己肯定感を低くしてしまう暗黙のメッセージを親から受け取り、自分にインプットしてしまうことだという。

■子どもに寄せるべきは、期待ではなく「信頼」

 本書には、親からのQ&Aもさまざまに集められている。その中に「先生から言われて『勉強しなさい』と言うのをやめましたが、成績は下がる一方です」というものだ。

 その答えとして著者は、その言葉は封印しても、他の態度でイライラを子どもにぶつけていないかを問う。そして、子どもへの期待はすべて手放し「子どもに寄せるべきは期待ではなく、信頼です」と記している。

 信頼とは任せることで、「勉強しないことを選んだ子どもに任せ、楽観を持って見守るように」とアドバイスをしている。テストの点が何点だろうと、期待せずに子どもを信頼してあげる。これができれば「必ず子どもの心は上向く」という。

 そして、子どもが本当にしたいこと、興味を持っていることを一緒に探るといいそうだ。親が好きなことをサポートしてくれるとわかれば、子どもの意識はガラリと変わり、興味のあることに取り組むためには勉強が不可欠であることも理解し始めるという。

■テストの成績など勉強で褒める際には「いいね」を使う

 本書のメインは、子どもの自己肯定感を高める「10の魔法のことば」である。「すごいね」「さすがだね」「いいね」はそのうちの3つなのだが、「テスト結果など、勉強に関して褒めるときは、すごいね、さすがだねは使わないようにして、『いいね』だけを使うこと」と著者は記している。

 その理由はこうだ。

「いいね」という言葉は「褒める」というより、「認める」という意味合いが強いものです。また軽さを持ち合わせた言葉でもあります。

 そのため、「次も親の期待を裏切らないようにがんばらなきゃ」といった過度のプレッシャーを子どもに与えずに済む。一方で、すごいね、さすがだね、はうれしい反面、「次の結果が悪いとなんて言われるんだろう」という不安要素にもなるのだそうだ。

 本書には子どもだけでなく、親自身が自己肯定感を高めるためのアドバイスも記されている。ぜひ、子どもとの触れ合いが多くなる夏の間に、本書からのアドバイスを生かしてみてほしい。

文=ソラアキラ