肉をおいしく食べる「イラスト付き教科書」! とっておきの肉をおいしく焼くポイントは?

食・料理

2019/1/17

『フランス式 おいしい肉の教科書』(アルテュール・ル・ケンヌ:著、広野和美:訳/パイインターナショナル)

 フランス料理と聞くと、真っ先に思い浮かぶのは高級料理店のイメージで、自分の家庭の食卓にはなかなか馴染みがない、そんな人が多いのではないだろうか。中には、フランス料理という言葉を聞くだけで、思わず尻込んでしまう人もいるかもしれない。そんなあなたに、ぜひとも読んでいただきたい1冊が、『フランス式 おいしい肉の教科書』(アルテュール・ル・ケンヌ:著、広野和美:訳/パイインターナショナル)だ。

 本書は、あらゆる肉料理をおいしく食べるための知識や調理法をわかりやすいイラストで解説した、フランスのベストセラーである。さまざまな種類の牛や豚、また鹿や野鳥などのジビエまであらゆる種類の食肉を網羅している。

 また、肉にあわせる塩や、最適な焼き方に関する科学的な検証などの最新の研究成果も掲載されているので、知識が深まるだけでなく、知っているだけで料理をするのが楽しくなるような情報が詰まっている。

 例えば、スーパーやコンビニでもよく目にする、「ハム」を取り上げたページがある。このページでは、生ハムとボンレスハムの製法の違いを、料理に精通していない人にもわかるように、イラストも加えて丁寧に解説している。また、そこから派生して、生ハムと乾燥ハムの区別や、工場生産のホワイトハムについての記述も詳しくされている。

 また、食卓にも身近な例を他にも取り上げると、目的に合った調理器具の使い方やその大きさについても紹介されている。調理器具の大きさによって火の通り方なども異なるので、肉の質、さらには出てくる肉汁の質も大きく変わってしまうそうだ。ソテーするなら大きなフライパン、煮るなら小さなココット鍋、ブレゼなら小さなココット鍋、ローストなら小さな調理皿など、なぜその器具を使うべきなのか、なぜその大きさが適しているのかについても、イラストも交えて詳しく解説されている。

 本書の著者であるアルテュール・ル・ケンヌ氏は料理研究家であり、アートディレクターという一面を持つ。そんな多方面で活躍する彼が一流の畜産家や科学者、美食家たちと交流を重ねた上で生まれた数々の研究成果を、ユーモア溢れる文章を交えて紹介した本書は、肉が大好きな人々に熱狂的に受け入れられ、世界9カ国で翻訳出版が決定している。

 年が明け、なにか新しいことに挑戦してみようという人は多いと思う。「フランス料理を自分でつくってみる」なんていう目標はどうだろうか。それは少しハードルが高いかもしれない。でも、本書を読んで知識を深めることができれば、普段の料理はもちろんのこと、近所のスーパーでの食材選びから、また違った楽しみ方をできることは間違いない。新しい1年のより豊かな生活に、本書は大きく貢献してくれるはずだ。

文=島口大樹