蝶も花もスイーツも青…いろんな青が味わえる幻想的な作品集

文芸・カルチャー

2020/3/28

『誰かが世界を青に染める実験をはじめた』(Yas/KADOKAWA)

 突然ですが、みなさんは、「青」という色にどんなイメージを持っていますか? 清潔感や爽やかさなどのポジティブなイメージもあれば、悲しみや寂しさといったネガティブな想像をする人もいると思います。

 そんな「青」色を追求し、青い絵を描き続けているイラストレーターがいます。

 実は多摩美術大学に通う現役の美大生であるYasさんは、もともと寒色系が好きで、青い絵を描き始めたそう。透明感のあるハーバリウムやコスメ用品などをモチーフに、SNS上でブルーのイラストを発表したところ、独特の世界観に魅了される人が続出し、計17万フォロワーという人気になりました。

 そんなYasさんが3月に上梓した初作品集『誰かが世界を青に染める実験をはじめた』(KADOKAWA)からは、いろいろな表情の青を味わうことができます。

「孤独」の青


 作品集は、ある独りぼっちの研究者が、世界を青いもので溢れかえそうと実験をくり返す場面からはじまります。冒頭のページでは、青い花や昆虫を閉じ込めた実験器具やランプが描かれ、主人公である研究者の孤独感や切なさが伝わってくるようです。「世界を青に染めたい」という彼の願いは、著者のYasさん自身に重なります。

食べものも青に



 作中では、自然の生き物や空だけでなく、フルーツやお菓子まで青色で描かれています。青い食べ物はふつう「食欲が失せる」と聞きますが、美しい見た目に「どんな味だろう」とそそられる気がします。「星屑ケーキ」など、名前もロマンチックです。

「安心」の青


 青い蝶に導かれて実験室を飛び出した研究者は、外に青い世界が広がっていることに気づき、旅します。青い空や星の降るような町並みは静かで、心が落ち着く雰囲気に満ちています。

 作品集を読んだ人からは、「癒やされる」「いい夢が見られそう」などの声があがっています。まだの人は、ぜひこの青い世界に心ゆくまでひたってみて下さい。あなたにとって青がもっと身近で特別な色になるかも知れません。

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