砂漠やオアシスはどうやってできるのか? 砂漠に“水”が存在する理由を解明!/面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ

スポーツ・科学

更新日:2022/7/20

オアシスや塩の湖はなぜできる

砂漠に水が存在するわけ

 砂漠にはところどころに水の存在する場所があります。これが「オアシス」で、オアシスがあるからこそ人は砂漠で暮らすことができます。

面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ

 多くのオアシスの水は遠くから流れてきた地下水です。遠くの場所で降った雨や、雪がとけてできた水が長い年月をかけて地下を流れ、オアシスのある場所で自然に湧き出します。オアシスが周囲より低い場所にあることが多いのは、地下水が湧き出しやすいからなのです。

 サハラ砂漠の中を流れるナイル川もオアシスの一種です。ナイル川の水源のひとつであるビクトリア湖はサバナ気候に位置するため、雨季に大量の雨が降ります。上流に豊かな水があるため、枯れることなく砂漠の中を流れることができるのです。

 オアシスにはたくさんの人や物が集まり、にぎやかな市場や人々の祈りの場である寺院が存在しています。また、農業が行われ、集落が形成されることもあります。

太古の昔海だった場所が干上がる

 砂漠では塩水の湖や塩の大地もよく見られます。有名なのはイスラエルとヨルダンの国境にある死海です。塩分濃度が30%以上もあるため浮力が大きくなり、水の上に寝転ぶような体験ができます。また、アンデス山脈でとれる岩塩も有名です。

 なぜ、乾燥地帯にはしょっぱい水や岩が存在するのでしょうか。

 もともと海底にあった場所が隆起してできた陸地の地層には塩分が閉じ込められています。そこにめったに降らない雨が降ると、地層に含まれる塩分をとかしながら流れて、その水は低地にたまっていきます。できた水たまりは、出口がなければどんどん大きくなっていくはずですが、乾燥帯ではほとんど雨が降らないため、水が蒸発し、いくら水が流れ込んでもたまってはいきません。水に含まれていた塩分だけが残ってそこにたまっていくのです。これが、乾燥帯に塩水の湖や塩の大地ができやすくなる理由です。

<第6回に続く>


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