自己肯定感が低い、「すみません」が口癖になっている…それは幼少期の「癒されない感情」が原因かも?/親子の法則

暮らし

公開日:2022/10/30

満たされない感じがする

 客観的に自分を振り返ったときに、むしろ恵まれていると思える環境だったにもかかわらず、心のどこかに穴が開いているような空虚な感覚があったり、欠落感を覚えたりしていませんか?

 他人に言わせればぜいたくな悩みかもしれませんが、人に理解されないだけに本人にとっては苦しいものです。

 実は私自身もこのタイプでした。

 第三者的に見ると、特に問題がない。でも本人は決して満足していない。他人が思うほど自分の人生がいいものだとは思っていないし、他人が下す評価に自分の心がおいついていかない感じが常につきまとっていました。

 今になるとよくわかるのですが、その原因は親が私に期待する「こういう人生を送ってほしい」を察知し、そのとおりに生きてしまったことにあるのだと思います。

 

 親の期待する生き方を受け入れ、親の言うとおりにしたものの、それは親の望む人生であって、自分の望む人生とは異なっていた……そんな感じです。

 自分の本心とはかけ離れた人生になっているから苦しくなるし、満足感も得られなかったでしょう。

 親の思惑を優先させた結果、自分の心が置き去りになっているからこそ、はたから見ると何の問題もない人生でも、本人にとっては中身がスカスカしてからっぽな、満たされない人生と感じられてしまうのです。

 

自分に制限をかけてしまう

 誰に反対されたわけでもないのに、やりたいことがやれない人はいませんか?

 「世界一周の旅に出てみたいけど、本当にそんなことをしていいのか悩んでしまう」「コーチングやカウンセリングを勉強してみたいけど、なんだかためらってしまう」

 そんなふうに自分に制限をかけることの裏には、「親に賛成されないのではないか」という思いがあります。親から刷り込まれた安定志向の影響です。

 2000年以前に生まれた人たちの親世代は、まだ日本が経済大国だったイメージを強く持っている世代といえます。

 今では世界でも有数の少子高齢社会になり、国の基幹産業である製造業が衰退したうえ、IT化の波に乗り遅れるなど、国力が失われた日本に生きている私たちにとっては、なかなかイメージしづらいものがあります。

 しかし、親の意識はそのころでとどまっているのではないでしょうか。

 だからこそ、いつまでも子どもに対しては「就職するなら大企業」「1つのところに長く勤めたほうがいい」「おとなしくしていれば、なんとかなるんだから」と、自分にとっての常識(=時代遅れの常識)を押しつけてしまうのでしょう。

 その根底にあるのは親心です。親は子どもに苦労してほしくないと思っています。

 それゆえに親は子どもに、就職に有利になるよう高学歴を望み、大きな会社に入ることを望みます。はっきりとそう口に出す親も大勢います。

 親の安定志向を「今の時代に何を言っているんだろう?」と頭では思っても、子どものころから折にふれて感じ取った親の「安定第一」の価値観は、子どもの心に深く入り込んでいます。真の意味でそこから抜け出すのは、容易ではありません。

 だから何かしようと思ったとき、「本当にこんなことをしていいのだろうか?」と制限が生まれてしまうのです。

 

<第4回に続く>

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