ディケンズ『クリスマス・キャロル』あらすじ紹介。ドケチで意地悪な老人が生まれ変わるクリスマスの物語

文芸・カルチャー

更新日:2024/2/8

 アメリカのクリスマスには、家族でクリスマス映画を観る習慣があり、『クリスマス・キャロル』はその中でも特に人気のある作品です。しかし、本作は小説が原作だとご存じではない方もいるのでは? そこで今回は、とても面白く心温まる内容の本作のストーリーをわかりやすく紹介します。

クリスマス・キャロル

『クリスマス・キャロル』の作品解説

『クリスマス・キャロル』は、チャールズ・ディケンズにより1843年に発表された小説。イギリスの国民的作家である著者の代表作です。クリスマスをテーマにした小説のなかでも特に人気があり、現在に至るまで多くの人々に愛され続ける名作です。幾度となく映画化・舞台化され、絵本・コミックなど幅広い展開もしています。

『クリスマス・キャロル』の主な登場人物

スクルージ:会計事務所を営む老人。嫌われ者の守銭奴。

フレッド:スクルージの甥。嫌われ者であるスクルージをパーティに誘うなど、朗らかな性格。

クラチット:スクルージのもとで働く書記。家が貧しいうえ薄給で働かされている。

マーレイ:7年前に他界したスクルージの仕事仲間。幽霊となって、3人の幽霊の来訪を告げる。

第1・第2・第3の幽霊:スクルージのもとに現れる幽霊。それぞれ「過去」「現在」「未来」の光景を見せる。

『クリスマス・キャロル』のあらすじ

 スクルージにとって、今日がクリスマスイブであることなど、どうでもよかった。

 薄給で雇っているクラチットが、クリスマスだから早く仕事を切り上げたいと願い出ても、その分、翌日は早く出勤することを要求。さらに、寄付金集めにやってきた紳士には暴言を吐き、パーティへの招待に来た甥のフレッドを追い返した。嫌われ者の守銭奴である彼にとって、クリスマスは愚か者どもが散財し、騒ぐ不愉快な日でしかないのだ。

 そんなスクルージが床につくと、かつての仕事仲間・マーレイの幽霊が出現する。マーレイの幽霊は鎖に縛られ、絶え間なく後悔に苦しめられているという。そして、これから3人の幽霊がスクルージのもとを訪れることを告げ、訪問を受けなければ自分と同じ道を踏むことになると言い残し、姿を消す。

 過去を司る第1の幽霊は、夢と素朴な心を持っていた少年時代の光景を見せた。次に幽霊は、別の過去のクリスマスに連れていく。さらに成長したスクルージは、金の亡者になりつつあった。当時、スクルージには将来を約束した女性がいた。しかし、スクルージの変化に愛想を尽かした婚約者から別れを告げられた過去を見せられ、打ちひしがれるのであった。

 現在を司る第2の幽霊は、知人たちがクリスマスを楽しむ光景を見せた。クラチット家の貧しいけれど楽しいクリスマスパーティの様子、甥のフレッドが愉快にクリスマスの食卓を囲む姿だった。そして、クラチットの子どもティムが病気で長く生きられないことを知る。以前「過剰な人口を減らした方がいい」と言ったことを思い出し、過去の自分の言動を後悔するようになる。

 そして、未来を司る第3の幽霊が見せたものは、人間の浅ましい姿だった。未来では、ある男の死を皆が喜んでいて、暴言を吐いたり、死体から服をはぎ取ったり盗みを行う者までいた。その男の荒れ果て見捨てられた墓碑に刻まれていたのは、スクルージの名……。

 スクルージが目覚めるとクリスマスの朝だった。マーレイと3人の幽霊に感謝し改心を誓ったスクルージは、クラチット家にごちそうを贈り、寄付を募る人々に多額の寄付をし、フレッドのパーティへと赴く。

 やがて、スクルージは「一番クリスマスの楽しみ方を知っている人」になるのであった。

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『クリスマス・キャロル』のあらすじはいかがでしたか。
『クリスマス・キャロル』は映画化もされており、映画を視聴することでも『クリスマス・キャロル』の物語を楽しめます。

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<第53回に続く>

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