シンプルだけどしみじみうまい「塩砂糖豚」レシピ。塩、砂糖、香辛料だけで“お店の味”に/豚かたまり肉を買ってみました

暮らし

公開日:2023/4/21

 カレーやチャーハン、スパゲッティ…。そんな簡単なメニューから始まり、料理の楽しさに目覚めた人が次に手を出したくなるもの――。それが「かたまり肉」です!

豚かたまり肉を買ってみました』は、登録者数45万人超の大人気ユーチューバーCOCOCORO・こと大西哲也さんが料理好き男子に向けて書いたレシピ本。手をかけてかたまり肉のうまさをじっくり引き出す、至高のレシピを掲載しています。レシピの他にも覚えておきたい小ネタや料理の歴史などもご紹介。

 一度読めば、かたまり肉の魅力に惹きつけられること間違いなし! 男子のみならず料理好き女子にもおすすめの1冊です。

 料理に欠かせないのが食材のうまみを引き出す調味料。シンプルな「塩砂糖豚」は、豚肉と塩、砂糖、香辛料だけでお店の味を再現できます。

※本作品は書籍『豚かたまり肉を買ってみました』(大西哲也/ワニブックス)から一部抜粋・編集しました

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豚かたまり肉を買ってみました
『豚かたまり肉を買ってみました』(大西哲也/ワニブックス)

豚かたまり肉を買ってみました

豚かたまり肉を買ってみました

 塩はもっとも古くから親しまれてきた調味料です。簡単に手に入りますし、なにより、味わいを追加して、さらに食材からうまさを引き出すこともできます。

 昔は塩は貴重品でしたが今では簡単に手に入ります。でも、せっかくだったらいい塩を買うのもいいですね。がんばって1000円くらい払えば、世界最高クラスのシェフが使う塩を手に入れることができる。料理をコスパで語るのは無粋ですが、塩はとってもお得な投資ともいえます。塩漬け肉の塩は肉の重量の2%が適量。1000gの豚バラブロックを購入したとしたら、20gの塩を使うことになります。よく小さじ大さじという言葉を目にしますが、mlで計量するために使います。小さじ1が5ml、大さじ1が15ml。これは覚えておいた方がのちのち便利かなと思います。

 ここで一つ問題があって、mlとgは違うんです。水は小さじ1(5ml)=5gですが、油は5ml=4g、乾燥パン粉は5ml=1gとされています。となると「塩は……?」と不安に思われる方もいると思いますが、小さじ1=だいたい6gで計算できるので安心です。もちろん個体差があるので一概には言えないのですが。

 でも、少し計量が狂ったからといって、塩漬けという調理法において大きな問題ではありませんので気軽にいきましょう。計量スケールをお持ちの方は、そちらで20gを計量してもいいですね。繰り返しますが、これはあくまで1000gの肉を塩漬けする場合の話。肉の重さの2%をしっかりと計算してください。

最初からいちばんおいしい塩分濃度で作る

 塩を手にしたら、肉にすり込みましょう。この際、手袋をした方が衛生的ですが、もっと楽をしたい場合は、ビニールに入れて塩をまんべんなくふりかけて、袋の上から揉み込むという方法もあります。肉にむらなく塩をまぶすことがポイントです。

 冷蔵庫で最低2時間、できれば1~3日寝かせます。熟成させる狙いもありますが、大きな目的は味をつけることです。肉の筋繊維をやわらかくする効果もあります。しばらくするとドリップと呼ばれる赤い汁が出てきたら、ひっくり返して、味を均一にします。

 「塩抜き」はしなくていいの? と思ったあなたは、きっとお料理が大好きなんでしょう。保存を目的とした塩漬け肉は5%以上の塩で漬けるので、塩抜きしないとしょっぱくて食べられないのですが、今回は最初から適度においしく感じる塩分濃度で漬けているので大丈夫です。ただ、そのままだと表面の塩味が強いので塩を軽く洗い流して、キッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取ります。これで十分です。

 よく研いだ包丁を手にしたら、塩漬け肉をカットしましょう。自分の好みの厚さにカットできる、それだけで大きな肉のかたまりを料理する意味があると思います。肉をカットする時は、目的意識を持ちましょう。ステーキのような厚さにしたら食べごたえがありますから、豚肉のうまさをシンプルに味わいたい時にどうぞ。野菜など他の食材と一緒に調理する場合は薄く切った方がいいでしょう。

 ある程度厚くカットするメリットは縮むのを防げることです。そして、ある程度大きくカットしないと、すぐに火が入って硬くなってしまいます。少し厚めにカットする目的は、調理の科学を使うためでもあります。料理好きの間ではお馴染みのメイラード反応を起こしながらも中心部には火を入れすぎたくないからです。

 メイラード反応とは魚や肉、パンなど食材の中に含まれるアミノ酸と糖が加熱によって結びつき、起こる反応で、香ばしい風味と褐色の焼き色が出ること。ステーキ、ごはんのおこげ、トンカツがおいしい理由の一つはこのメイラード反応。科学的に説明できます。

 油をひいたフライパンを中火にかけて2分ほど待ちます。用意するのはカットした肉1枚。5mm厚さの肉をフライパンにそっと置いたら、まもなく香ばしい香りがしてきます。少し裏返して確認し茶色になっていればメイラード反応の完成。片側に焼き色をつけたらすぐに裏返して、さっと焼いたらお皿に取ります。

 なぜ片側のみに焼き色をつけるのか。その理由はうまさと食感のいいとこ取りをするためです。両方を焼きつけると肉が硬くなってしまいますから、片側にしっかり焼き色をつけて、裏はさっと焼くと、肉の内部はちょうどそれくらいの温度になり、ジューシーさと香ばしさを兼ね備えたごちそうへと変身するのです。

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