小学生の女の子に恋をする。体育のときにしか彼女を見ることができない理由は…【初恋の女の子】/意味がわかると鳥肌が立つ話⑫

文芸・カルチャー

公開日:2023/8/30

意味がわかると鳥肌が立つ話』(蔵間サキ:編著、toai:絵/Gakken)第12回【全13回】

累計460万部を突破した「5分後に意外な結末」の公式ライバルシリーズ「5分後の隣のシリーズ」より、『意味がわかると鳥肌が立つ話』をお届け。一見何気ない物語のようだけど、意味がわかると、その意外な展開に思わずゾワっと鳥肌が…。怖いだけではなく、感動や笑いなど、さまざまなタイプのショートストーリーを収録。読み進めるうちにどんどんはまっていく……「鳥肌」エピソードをお楽しみください。

【怖い場面あり、苦手な人は閲覧注意!】

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意味がわかると鳥肌が立つ話
『意味がわかると鳥肌が立つ話』(蔵間サキ:編著、toai:絵/Gakken)

初恋の女の子

 ぼくの初恋の女の子は、夢川愛理ちゃんだ。

 ぼくは彼女とは同級生ではないから、体育のときにしか彼女を見ることができない。

 椿谷ヶ浦小学校では、体育の授業が5、6年生合同で行われる。

 今日は、運動会に向けてのリレーの練習だった。

 色違いのゼッケンをつけた生徒が、校庭を元気よく走る。

 愛理ちゃんは、アンカーに選ばれたらしい。大役だ。さすが愛理ちゃんだ。

 応援しなくちゃ、と思ったが、声を出して注目されるのは恥ずかしかったから、ぼくは心の中で「がんばれ、がんばれ」って応援し続けた。

 愛理ちゃんが颯爽と走る姿に、ぼくはついつい見とれてしまう。ぼくは、運動がそんなに得意じゃないから、あこがれの気持ちがより強くなるのかもしれない。

 心の中で応援していると、彼女が1番でゴールした。

「やったー!」

 と嬉しくて叫ぶ。

 無邪気に喜ぶ姿がかわいくて、ぼくはますます愛理ちゃんのことが好きになった。

意味がわかると鳥肌が立つ話

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