『三びきの子ブタ』あらすじ紹介。実は残酷!? 次々と食べられる登場人物。最後に生き残ったのは…

文芸・カルチャー

公開日:2023/9/30

 童話や昔話が実は凄惨な物語であったということは、よく聞くお話です。本作『三びきの子ブタ』もご多分に漏れず、家を壊された長男と次男の子ブタがオオカミに食べられてしまい、また、オオカミも食べられてしまうというショッキングな展開をむかえます。

 実は残酷な『三びきの子ブタ』のストーリーを、解説を交えて結末までご紹介します。

三びきの子ブタ

『三びきの子ブタ』の作品解説

 イギリスの代表的な民話のひとつである本作は、か弱い子ブタと腹黒いオオカミの知恵比べが軸で、ラストは襲い来るオオカミを逆に食べてしまうという痛快な展開が待っています。

 現代は子ブタたちが食べられず、オオカミとも仲直りするというマイルドな展開がスタンダードになっていますが、原話が歪められ、スピリットとメッセージ性が失われたことを嘆く声があるのもまた事実です。

『三びきの子ブタ』の主な登場人物

長男の子ブタ:なまけもの。麦わらの家を作る。

次男の子ブタ:面倒くさがり屋。木の家を作る。

三男の子ブタ:臆病者。丈夫なレンガの家を作る。

オオカミ:子ブタたちを食べようとする。

『三びきの子ブタ』のあらすじ​​

 あるところに子ブタの三兄弟が住んでいました。長男の子ブタはなまけもの。次男の子ブタは面倒くさがり屋。三男の子ブタは臆病者。あるとき、三びきはお母さんのもとを離れ、それぞれ家を建てて暮らすことになりました。

 なまけものの長男の子ブタは束ねた麦わらで家を作り、麦わらは軽いので一番に完成しました。面倒くさがり屋の次男の子ブタは木で家を作り、2番目に完成しました。そして、臆病者の三男の子ブタは、丈夫なレンガで家を作りはじめます。しかし、レンガは重くたくさん積み上げなければならないので、完成したのは最後でした。

 三びきの子ブタの家が完成したころ、お腹をすかせたオオカミがやってきました。オオカミはまず、長男の麦わらの家に行き、フウーッともの凄い息を吹きつけます。すると、軽い麦わらの家は吹き飛んでしまいました。長男の子ブタはオオカミに食べられてしまいました。

 次にオオカミが向かったのは、次男の木の家でした。そして、またしてもオオカミはフウーッ、フウーッと息を吹きつけます。すると、木の家はバラバラになり、吹き飛んでしまいました。かわいそうに次男の子ブタもオオカミに食べられてしまいました。

 最後にオオカミが向かったのは、三男のレンガの家でした。オオカミはまたしてもフウーッともの凄い息を吹きつけるも、丈夫なレンガの家はびくともしません。オオカミはすっかり疲れきってしまいました。

 家を吹き飛ばすのは無理だと悟ったオオカミは、子ブタをおびきだす作戦に変えることにしました。しかし、どの作戦も上手くいきません。いらだちをつのらせたオオカミは、とうとう煙突から家に入ることにしました。窓からそれを見た三男の子ブタは、暖炉に大きな鍋をかけると、たき木をどんどん燃やしはじめました。

 そうとも知らずオオカミは、煙突から家の中に飛び降ります。しかし、オオカミが落ちた先は、ぐらぐらと煮立った鍋の中。ゆでられて死んでしまったオオカミは、三男の子ブタの夕ご飯のおかずになってしまいました。

『三びきの子ブタ』の教訓・感想​​

 物事を怠けたり、面倒くさがったりすると悪い結果につながるということが教訓となっていますね。一方臆病であったとしてもきちんとした家を建てた三男の子ブタの行動は、臆病というより用心深いようにも見えますね。三男の子ブタは、最後に少し勇気を出してオオカミをやっつけることができました。もしものときは、少し勇気を出してみることの大切さも教訓として伝えているようにも読み取れます。

<第36回に続く>

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