職場の若手にプライベートな話はNG!? それなら何の話題で打ち解ければいい?/部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです

ビジネス

公開日:2023/11/18

 新卒の約30%が3年以内に離職する時代。厳しくしたらいいか、優しくしたらいいか…。最近の若手社員のことがよくわからず、接し方に悩んでいる方は少なからずいるはず。

 日頃から「どうすれば若手社員に火がつくか」と考えている、最近の若手は「自分から動こうとしない」と思っている、若手と仲良くなるために「趣味の話」から入っているーーそんな上司の方はいませんか? 実は、これらはNGです。

 若手社員育成専門コンサルタントである著者の伊藤誠一郎さんが、最近の若手部下の「傾向」と「対策」を教えます。いかにやる気を出して仕事に取り組ませるか、声のかけ方・動かし方・伸ばし方を解説! この本で若手を変えるのではなく、上司である自分を変えていきましょう!

※本作品は『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す』(伊藤誠一郎/日本実業出版社)から一部抜粋・編集しました

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部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す
『部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す』(伊藤誠一郎/日本実業出版社)

プライベートな話題から若手と仲良くなろうとしない

無理に若手に話題を合わせようとすり寄らなくていい

 上司世代と若手社員の間には、いろいろと違いばかりが目立ちます。とはいえ、同じ職場で一緒に仕事をするわけですから、お互いについて知ることはとても大切です。

 上司や先輩は、若手について少しでも理解できれば、仕事上でのコミュニケーションに活かせるでしょう。

 ただ、上司や先輩が若手とのコミュニケーションでついやってしまいがちで、注意してほしいのは休憩時間や移動中などにプライベートな話題から入ろうとすることです。

「趣味は何なの?」「休みの日は何をしてすごしているの?」「スポーツは何かやるの?」「お酒は飲むの?」などが定番のネタとして挙げられます。

 しかし、若手とプライベートな話題から仲良くなろうとするのはやめてください。

 上司や先輩にプライベートなことを話したくないと思っている若手は少なくありません。若手は内心、上司や先輩からそんな質問もされたくないですし、「そもそも仕事に何の関係があるのか?」と思っています。

 また、最近の若手は、当たり障りのない雑談や社交辞令といった表面的に話を合わせることが苦手です。上司や先輩の言葉を真面目に受けとめ、たとえ仕事以外の話題であっても詳しく正確に答えなければならないと考える傾向にあります。

 したがって、若手にプライベートな質問をしてしまうと、詳しく知りたがっているという嫌悪感を持たれることになりかねないのです。

 また、今の時代、若手社員には「飲みニケーション」というのも通用しません。

 上司や先輩と一緒に飲みに行くというのは、勤務後は自分のために時間を使いたい若手の意に反するからです(上司や先輩と飲むのを好む若手も中にはいますが、昔のように多数派ではないでしょう)。

 昔と今の若手とのコミュニケーションの違いのわかりやすい例として、マンションやオフィスのセキュリティをイメージしてください。昔は飛び込み営業が簡単にできたほど心理的にも空間的にも出入りが自由でした。ところが今は、万全のセキュリティで入口すら入れません。プライベートな話題に対する若手社員の意識もこれと同じように考えてください。若手社員は若手同士での情報交換であればSNS感覚で活発に行いますが、そのエリアに年長者が介入してくることに大きな違和感を持ちます。

若手と上司の共通言語は「仕事の話」や「時事ネタ」でOK

 ではいったい、どうやって若手社員と打ち解ければいいのか。職場での関係性づくりなので、仕事の話題で十分です。

 とくに、若いうちは身につけなければならない知識やスキルも多いですし、はじめて経験する業務も多いはずです。それに伴って、若手は不安や心配も多くなるはずですから、上司や先輩から声をかけてその解消に努めてあげるのが一番です。

 上司たちからは「休憩時間にまで仕事の話を持ち出すのは堅苦しくて休めないのではないか?」という声も聞かれますが、声のかけ方を工夫すれば雑談として成立します。

 たとえば、「見積書の書き方はできるようになった?」「業務マニュアルはどこまで覚えた?」といった聞き方だと、どうしても業務の確認っぽくなってしまいます。そこで、「営業の仕事はどうですか?」「いろいろなお客さんがいませんか?」といったようにざっくばらんに広めの質問をするようにします。

 そうすれば、それほど堅苦しくなく同時に若手社員の思いを引き出すこともできます。

 また、時事ネタを用いながら仕事の話に近づけていく方法も効果的です。

 たとえば、ネットニュースでは若手社員に関する話題が多く見られます。「今どきの若手社員は出世を望んでいない、管理職になりたがらない」という話題について、「実際はみんなどう思っていますか?」と質問してみるのです。そうすれば、世の中の若手社員の実態を通して若手の思いを知ることもできます。その際に、くれぐれも「君は?」と1人に限定せずに、「今の若い人は?」と一般的な傾向に話を広げるような配慮も忘れないでください。

部下に「困ったら何でも言ってね」はNGです 若手社員は「肯定」と「言語化」で自ら動き出す

 最初は、上司や先輩から話す時間のほうが長くなるかもしれませんが、自分のために話してくれる人には信頼を覚えるというのも最近の若手社員の生真面目な一面です。

 このようにプライベートな話題に触れなくても、彼らと打ち解ける方法はいくらでもあります。ぜひ今の時代に合った新しいコミュニケーションスタイルを身につけてください。

若手と業務や時事ネタについてざっくばらんに語り合うことで十分仲良くなれる

<第3回に続く>

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