ゲスすぎる元祖寝取られを描いた問題作。14世紀に描かれた寝取られ現場の絵が笑える/つい人に話したくなる名画の雑学①

文芸・カルチャー

公開日:2023/12/14

つい人に話したくなる名画の雑学
1908年 油彩、キャンバス 1003×803㎜ ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(アメリカ、ニューヨーク)

ヘタな絵に見えて、実は……

『フットボールをする人々』

アンリ・ルソー
【フランス 1844~1910年】

四人いるはずなのに顔と髪型は2種類だけ?

 おっさんたちが無邪気にキャッキャウフフしているのは、今で言うラグビーです。

 四人いるのですが、登場人物の顔は髭と丸刈りの2種類だけ。そして何だか人物の足が、少し宙に浮いているように見えます。身も蓋もない表現をすれば、「ヘタな絵」となるのでしょうが、芸術とはそんな単純なものではありません。

 ルソーは絵画の教育を正式には受けていない素人画家で、今風に言えばアウトサイダーアーティストとなります。本業は税関の職員で、大部分の作品は引退後に描かれたようです。人物は正面を向いており、遠近感はほぼ皆無。技術的には稚拙とも見えますが、実はゴーギャンやピカソなど、天才と言われる芸術家に高く評価されていました。

 確かに独特な色遣いや緻密な樹木の葉の描写は唯一無二で、ジョルジュ・ブラックやピカソが創ったキュビスムの先駆だったのではとの意見もあります。いわゆる玄人受けする画家だった訳ですね。

ルソーの夜会

 素人画家ルソーの絵はお世辞にも上手いとは言えません。生前、彼の作品は完全にイロモノ扱いで、ギャラリーではイジり倒される存在でした。しかしそんなルソーの中に芸術的才能を見出したのがピカソ。ピカソは1908年、自分のアトリエにルソーを招待し、彼を褒めたたえる夜会を開いたのでした。これによりルソーは絵画界に多少認知される事になりました。

本作品をAmazon(電子)で読む >

本作品をebookjapanで読む >

あわせて読みたい