「かわいいは正義」は紀元前から!? 古代ギリシャの高級娼婦が裁判で無罪になった理由/つい人に話したくなる名画の雑学②

文芸・カルチャー

公開日:2023/12/15

つい人に話したくなる名画の雑学
1857年 油彩、キャンバス 635×760㎜ 個人蔵

笑ったら負け? 微笑ましすぎて涙が……

『笑うかな、笑わないかな』

ソフィー・アンダーソン
【フランス 1823~1903年】

自然の中で工夫して遊ぶ少女と少年

 まるでアルプスの少女ハイジと、その友達ペーターのような二人です。草でくすぐられて笑ったら負けという遊びでしょう。少女が必死で笑いをこらえて口を閉じているのが分かりますね。まだゲーム機などのない時代はこうした自然の物を使い、工夫して遊ぶのが当たり前でした。それにしてもこの二人、微笑ましいにも程がありますよね。

優しいタッチに表れる女性画家の人柄

 このような微笑ましさを描くには細やかな神経が必要なようで、やはりと言うかソフィーは女性画家でした。フランスで生まれましたが、1848年の二月革命から逃れるため、一家そろって米国に亡命。のちに同国でイギリス人画家ウォルター・アンダーソンと出会い結婚します。彼女の作品は少年、少女、そして自然を画題にしたものが大部分。優しげなタッチから、その人柄がうかがえます。初期の作品にはミレーやロセッティらに代表される、ラファエル前派の影響も見られるようです。

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