目を覚まして真っ先に何をする? スマホをいじる前にするべきこと/『人生の主導権を取り戻す 最強の「選択」』②

ビジネス

2020/2/26

目覚めて何をするか、何を食べるか、どう働くか、いかに休むか、どのくらい鍛えるか、どんなSEXをするか、どうやって深く寝るか。1日の積み重ねが人生であるからには、日々をどう過ごすかが人生を決める。そして、1日の過ごし方は、自分の「選択」次第だ。その最強の「選択」とは――。年商70億突破の筋肉CEOが、身体も心も自分最高レベルにつくり変えたそのメソッドを余すところなく伝える。

『人生の主導権を取り戻す 最強の「選択」』(オーブリー マーカス:著、恒川 正志:訳/東洋館出版社)

第1章 目を覚ます

うまく始められれば、半分終わったようなもの。
―アリストテレス

朝の目覚めで1日の調子が決まる。あなたはベッドから抜けだしてスマホに手を伸ばすだろうか。それとも、目的をもって行動を始めるだろうか。1日をはじめからコントロールしたいと思うなら、すぐに水分補給(コーヒーではなく)をし、光を浴び、身体を動かす。目覚めてから20分以内にこの簡単な三つをおこなうことにより、体内時計がリセットされ、パーフェクトな1日への第一歩を踏みだせる。

支配されている状態

 エンジンが燃料噴射式になる前は、冬季の寒冷地では朝一番に車に乗りこんでエンジンをかけ、ギアを入れ、アクセルを踏みこんで一気に走りだすということはできなかった。そうしたくても、エンジンの働きにとって重要なオイルが温まっていなくて、のろのろとしか走れなかった。オイルが温まる前にスピードを出して公道を走りだせば、内部の部品が破損し、エンジンの点火時期調整が狂い、高額の修理費を払うはめになった。

 コンピューター制御によるハイテク燃料噴射式エンジンや安全装備を備えた最近の自動車の場合でも、能力を最大に引きだし、車を長持ちさせたければ、すぐに速度を上げず、最初はゆっくり走るのがよいとされている。どのくらいの人がこのシンプルなガイドラインに従っているか、わかるだろうか。その数は、目覚めるときに正しく身体のウォーミングアップをおこなっている人と同じくらいだ。一般的に、私たちは車に対してと同様、自分の身体に対しても無関心だ。これは残念なことだ。車と違って、20年間こき使った後で低燃費の新型モデルに乗り換えるというわけにはいかないのだ。メンテナンスにお金をかける代わりに、高い医療費を支払う。どちらも、うれしい出費ではない。

 平均的な1日のはじまりの時間を思い浮かべると、ここで話していることがよくわかるはずだ。私たちが普通、目覚めて最初に感じるのはのどの渇きだ。よく眠れたとすると、7時間以上、1滴の水も飲んでいないことになる。乾燥した地域に住んでいる場合や、前日の午後にトレーニングに励んだり、前夜にパーティーで大騒ぎしたりした後では、眠りについたとたん、水分が欠乏することになる。室温やかけている毛布の枚数によっては、発汗のために脱水状態が加速することもある。そのほか、呼吸と発汗により、一晩で0.5リットル弱の水が蒸発することもある。そのため、綿の塊にずっと水分を吸い取られていたような気分で目覚めるのが普通だ。

 この状況では、起きて水を飲むのが当然の反応だと考えるだろう。今日1日、身体がもっとも効果的に、長く働くように、正しく動かす必要のあるすべての部品に油を差すためだ。ところが実際には、布団にもぐり、ぎりぎりの時間までスヌーズ・ボタンを押しつづけ、これ以上延ばせなくなると、ようやくベッドから飛びだして、パジャマを脱ぎ捨て、浴室に入って70~80リットルの熱いシャワーを浴び、ドリップ式のコーヒーメーカーに約3リットルの水を注いでいる。水が排水溝に流れこむ前に、あるいはフィルターを通過する前に、この水を飲もうとは考えない。正気の沙汰とは思えない。目覚めのときの渇きを日中に感じたとすれば、「ああ、のどが渇いた」と言ってグラスの水を飲み干すはずだ。それなのに、1日のはじめにはどういうわけか、いつもコーヒーカップを手にしている。

 あなたにニュースがある。最高の目覚めのために1杯のコーヒーは必要でない。どうだろうか。「でもオーブリー、朝のコーヒーがないとすっきり目覚めないんだ、コーヒーが必要なんだ」。そんなことはない。コーヒーで身体を目覚めさせるのは、火災報知器を目覚まし時計に使うようなものだ。脱水状態でお腹も空っぽの状態では、カフェインが急速に血中に取りこまれ、ストレス・ホルモンが副腎から分泌され、身体は“闘争・逃走トリガー”として感知する。ライオンやチーターに追われて、神経が覚醒しているようなものだ。これは一時的には効果があるが、私の経験からすると、朝一番には攻撃的になるカフェインをできるだけ摂取しないほうがいい。脱水状態でコーヒーを飲むことは、舌は満足しても、窮地を脱することにはならない。コーヒーの水分はカフェインの脱水特性によって失われる。それでも朝のコーヒーがやめられないのは、目覚めのときの別の問題に、このストレス・ホルモンの効果がうまく対処してくれているからだ。つまり、まだ疲れが取れていないという問題だ。

 朝すっきり目覚めると答えているのは、アメリカ人の7人のうちの1人だけだ。そして約半数が、少なくとも週に3日は疲れを感じているという。国全体が疲れに支配され、振り回されている。いつも寝不足なので、慢性的に疲れている。眠気と活力(エネルギー)はサーカディアン・リズム(いわゆる体内時計)と呼ばれる24時間周期のリズムによって調整される。このリズムが、いつ起きていつ寝ればよいかを身体に教えてくれる。一般に考えられているのとは違い、体内時計の針を動かしているのはスターバックスではない。日光と身体の動きだ。そのため、部屋着で薄暗い部屋の中を歩き回っているとき、目覚めているのか、まだ眠っているのか、死んでいるのか、身体はわからない。定期的にサーカディアン・サイクル(24時間周期のサイクル)を開始するための重要な合図が制限されると、身体は調子が狂ってしまう。これに脱水状態が加わると、さらにひどいことになる。そのため、やらなければならないことはわかっていても、いつもやる気が出ず、頭はぼんやりし、頭痛に悩まされ、イライラし、疲れ切っている。本当に疲れているのだ。もちろん、就寝時間となると話は違ってくる。つねに疲れているにもかかわらず、そのときになると、どういうわけか眠れないのだ。知り合いにもそんな人がいるのではないだろうか。いないとしたら、友達を増やしたほうがいい。なにしろ、アメリカの疾病管理予防センターの見積もりによると、5000万~7000万人のアメリカ人が睡眠障害に悩んでいるのだ。そういう人を1人くらいは知っていてもおかしくない。

 研究によると、男女ともに体重の約1%の体液が失われたことによる軽度の脱水症状でも、頭痛、イライラ感、怒り、心配、疲れを引き起こす可能性があるという。体液が2%失われると、知的能力の低下、一時的な記憶障害が発生しうる。朝、就寝前よりも体重が1~2%軽くなっていることに気づいたことはないだろうか。これでおわかりだろう。参考までに、総合格闘家はふつう、試合前に体重を最大10%減らす。計量の日に下着姿で怒鳴りあっているのも無理はない。水分の摂取方法から考えて、アメリカ人の78%は慢性的な脱水状態にあると言える。そうすると、1日のはじまりがすがすがしいものであるはずがない。その姿は完全に支配されたものだ。

 しかし、問題は水だけではない。ミネラル(特にナトリウム、カリウムといった電解質)も睡眠中に失われる。ミネラルは筋肉から器官、脳まで、さまざまな身体の働きを調節し、支える鍵となる。ミネラルが不足すると、身体の多くの正常な機能が損なわれはじめる。それなのに、ミネラルを定期的に補給することは、1日のはじめに身体を動かし、日光を浴びるのと同じくらい、私たちが苦手とすることだ。

 そのすべてを解決する方法がある。三つの項目からなる式だ。つまり、水分補給のためのシンプルな朝のミネラル・カクテルに、日光と身体の動きを少し加えたものだ。これにより、1日の最初の20分以内に体内時計をリセットし、“支配されている状態”から“支配する状態”に移行できる。

<第3回に続く>