恋の予感がすると相手との相性が気になるもの。でも相性よりももっと大切なこと/占いで強運をつかむ⑦

暮らし

公開日:2020/7/12

「ハケンの品格」など大ヒットドラマを数多く手がける人気脚本家・中園ミホさん。人生は全部占いで決めてきたという著者が語る「占いを人生に生かす秘訣」をご紹介します。しあわせになりたいあなたの背中をそっと押してくれるはず。

『占いで強運をつかむ』(中園ミホ/マガジンハウス)

相性を信じるのはやめなさい

誰かに出会い、恋の予感がすると気になるのが相性。
惹かれ合うのは相性のチカラかもしれませんが、じつはもっとだいじなことがあります。

 恋をすると相手との相性が気になるものです。でも、じつはどちらにとっても高め合う、みたいな理想的な相性はほとんどありません。ごくまれにはいますが、そこにとらわれなくてもいいと思います。

 ちょっと昭和の時代に時間を巻き戻しますが、おつきあいください。

 あれはわたしがまだ二十歳のころ。山口百恵さんと三浦友和さんが結婚するニュースが駆け抜けました。当時、テレビのバラエティ番組で、50人の占い師がスタジオに集められて、おふたりの相性や将来を占う特番が組まれたのです。そこに出演依頼があった師匠の今村宇太子先生が、まだ占いの勉強を始めたばかりのわたしに「あなたが出なさい」とおっしゃいました。

 そこには占星術、霊感、易、タロットとあらゆるジャンルの占い師が集まっていました。

「ふたりの結婚はどうなるか」の質問に、そこにいたわたし以外の49人の占い師は全員「ともに白髪が生えるまで末永く」というボタンを押しました。ところがわたしだけが「別れる」というボタンを押したのです。

 今村先生に「もう一回、調べてみなさい」と叱られ、調べ直したところ、計算をミスしていたのです。結果は、ほかの占い師さんがおっしゃるとおり、たしかに、最高の相性でした。みなさんおふたりの相性に二重丸、三重丸をつけておられました。あれから40年、ともに白髪の生える年齢になっても、三浦友和、百恵さんは仲睦まじくしあわせそうですから、占いは当たっていますね。

どちらかが運をあげていることがほとんど

 日本にいる占い師50人がこぞって、相性がいいと占った百恵さんと友和さんですが、あのおふたりでさえ、運勢的にはおたがいを高め合う相性ではありません。百恵さんの強い運を、夫の三浦友和さんに渡すという組み合わせです。

 夫婦やパートナーの関係が、どちらにとっても好相性というのはあまりありません。差があるというか、強弱が若干あると言ったほうがわかりやすいかもしれません。運気は強いほうから弱いほうに流れ、どちらかが吸い取るものだからです。

 人と人が深くかかわると、どっちかにとっては運を差しだすことになり、どっちかにとっては運をもらうことになるのです……。

 もしも、どこかで占ってもらったときに、

「あなたにとって、この人はあなたの運気を吸い取る男性です」

 と言われても、絶対あきらめないでほしいのです。

 いつも彼に運気を吸い取られると思うとちょっと損をした気分になったりするかもしれませんが、こう思えばいいのです。

「わたしの愛情のほうが深くて、彼にわたしの運気をあげているの、彼の調子がいいのは、わたしのおかげね」と。

 実際にわたしも「あなたの運気は下がるけれど、相手はそれを吸い上げて、上がっていくから、それがあなたの務めだと思って、がんばって」と励ましてきました。

 また、夫婦の場合は、それぞれの役割をこなせばいいだけのこと。理想の相性にこだわる必要はないと思います。

 それから、まれにいる「ともに高め合う」組み合わせの人たちは、出逢ったときから惹かれ合います。運命星が10種類と、運気の流れが12種類あり(P24~27をご参照ください)、組み合わせると全部で120通りありますが、同じ星の人だとより顕著に現れます。

 その逆に、「運を下げ合うという」組み合わせの場合もあります。

 ふたりが幸せな関係だったらわたしはそれでいいと思いますが、気にされる方には「好きなら結婚して一緒に住んでもいいですが、べったり一緒にいると互いの運気を下げてしまいますから、それぞれがちゃんと自分の世界を持ってください」とアドバイスしていました。

 ちゃんと運気が外に開くようにしてもらいたいのです。

 ですから、相手からの束縛がすごくきついときは、「やめたほうがいい」とはっきり伝えていました。

 それから、恋人や夫婦以外では、親子にも相性があります。

 独断的な親に振りまわされているという悩みも聞きますが、親を選ぶことはできませんし、子どもだって同じことです。

 親子であっても相性が悪く、運を下げ合う場合は、中学から寄宿舎のある学校に入るとか、海外に留学するとかして、べったりしないほうがいいと思います。

 ただ、このどちらも下げ合う組み合わせというのも、実際にはあまりありません。

空亡期のとき、プロポーズされたら

「空亡期のときに『結婚しよう』とプロポーズされてしまいました、どうしましょう」と、相談を受けることがよくあります。

 占いでは、空亡期に出会って、その時期に結婚した人は別れることになると言われています。

 でも、わたしはそういうカップルでも別れずに幸せな結婚生活を送る人たちを何十組も見てきました。先ほどお話ししたとおり、空亡期で赤ちゃんが生まれたカップル。それからもうひとつ、空亡の凶意を吹き飛ばす方法があることに気がつきました。ふたりが一度、物理的に離れるのです。

 ですから、空亡期で出会ったカップルには「ケンカをしたら、すぐ仲直りしないで、一度別れてください」とお伝えします。一度別れて既成事実をつくってしまえばいいのです。

「空亡期に出会ったふたりは必ず離れなきゃいけないなにかが起こると言われていますが、もしなにも起きなくて気になるのなら、1回無理やり連絡をとらない時期をつくってみてください」とアドバイスします。

「えっ、こんなに好きなのに、別れなきゃいけないんですか?」とも聞かれるのですが、たとえば1か月連絡をとるのをやめて、あえて冷却期間をつくるのです。会えないのはつらいことですが、それでどちらかの気持ちが離れてしまったのなら、もともとその程度の結びつきだったのです。もしもその間に相手がほかの人のもとに行ってしまったら、それはほんとうに縁がなかったということ。さっさと忘れて、つぎの恋に進みましょう。

 それから、もうすぐ空亡に入る人だと、その前に結婚してしまったほうが絶対にいいので、急いだほうがいいとアドバイスすることもあります。

 かつてこんな人がいました。彼女のほうが由緒ある名家のお嬢様で、ご両親が結婚に反対されていました。「親の反対で結婚できない、どうしようという」と相談を受けたのですが、そのときは「あなたたちは相性もいいし、占いでみると今結婚したほうがいい。ふたりに強い気持ちがあるのなら、年内に結婚してください。それを過ぎると難しくなります」と伝えました。

 その言葉に、ふたりはギアを入れ換えたようです。

 とてもご両親をたいせつにされている女性でしたが、親の承諾を得ないまま入籍して事実をつくったのです。そこから騒ぎが大きくなって大変でしたが、結果的にすぐに赤ちゃんができて、今はご両親もこの結婚を認めてくださっています。長くはかかったけれど、ふたりはとてもしあわせに過ごされているそうです。

 こういうのを聞くと、占い師としてもうれしいものです。

<第8回に続く>