ママが眠れないのは当たり前…なわけがない! 現役ママの睡眠医療医があなたを苦しみから救います/子育てで眠れないあなたに①

出産・子育て

公開日:2021/4/20

はじめまして、私たちは「睡眠医療医」です

 はじめまして。私たちは「睡眠医療医」です。

 私たちが出会ったのは東京都品川区にある昭和大学病院睡眠医療センター。ここは全国でも珍しい睡眠を専門とした施設で、睡眠に関わる病気に悩む患者さんの「最後の砦」として、赤ちゃんからお年寄りまで、毎日多くの睡眠疾患患者さんを受け入れています。

 そして……

 たまたま同時期に出産した私たちは、現在0歳児、3歳児、4歳児の育児に奮闘するママでもあります。

 2017年当時、生まれたばかりの子どもと一緒に右往左往する新米ママだった私たちは、ママを取り巻く睡眠の悲惨さを目の当たりにして愕然としました。

 森田は出産してすぐ、長男の「夜泣き」に苦しめられました。

 何をやっても泣きやまないわが子。調べても出てこない対処法。すべて私が悪いの?睡眠不足と疲労でフラフラになった頭で、海外の研究論文を必死に読み漁りました。

 そこで得た知見を用いると、なんと長男の夜泣きは3日で改善したのです。

 海外の研究結果では、夜泣きの原因が示されているのに。このデータを、方法を、私たちママは知るすべを与えられない。指導してくれる人もいない。

 伊田は出産して最初に受けた助産師訪問で、「ママが眠れないのは当たり前なのよ」と言われました。

 あまりの言葉に衝撃を受け、確かめるために日本睡眠学会に参加しました。保育園児から高齢者、学生から医療従事者……ありとあらゆる人々の睡眠についての研究発表が集うその場で、ママの睡眠を扱った研究は、ただの一つもありませんでした。

 ママが眠れないのは当たり前なのか?

 子どもの夜泣きはどうしようもないのか?

 ……そんなはずはない!!

 調べれば調べるほど、「当たり前」「仕方ない」の合言葉のもと、ママを取り巻く睡眠の問題は軽視され放置されていることがわかりました。その悔しさを忘れられません。

 ママが眠れないのは当たり前のことじゃない。できることがあるはず。

 それを伝えるために、2018年、二人でツイッターやブログを始めたのが、この本を作ることとなったきっかけです。

 この本は、私たち睡眠医療医がママとして自らぶち当たった、眠れない苦痛や誰からも正解を教えてもらえない孤独に、少しでも手を差し伸べられればと思い生まれました。

 私たちの言葉が、少しでもあなたの悩みや苦しみに手を差し伸べられることを願っています。

森田麻里子
伊田瞳

<第2回に続く>