イケメンボイスのネコちゃんにお耳が悶絶! 妄想がはかどる癒しのマンガ『イケボキャット』/マンガPOP横丁(102)

マンガ

公開日:2022/3/18

イケボキャット
『イケボキャット』(出迦オレ/講談社)

「おはよう」「ごはん」「うまい」。これらはワンちゃんやネコちゃんの飼い主さんが“そう言っているように聞こえる”として、動画サイトやテレビでよく紹介される言葉たちだ。中には「ん?」と思うものもあるが、それは飼い主さんの愛が強いがための……ゴホン!申し訳ございません、ちょっと熱くなりました。とにかく家族の一員であるワンちゃんやネコちゃんと話せるのは長年の夢だからこそ、鳴き声を人間の言葉に翻訳してくれるコミュニケーション翻訳機がブームになったわけで。そんな飼い主さんには夢の物語、しかもその声に悶絶しちゃうネコちゃんとの生活を描いた『イケボキャット』(出迦オレ/講談社)で実現しちゃいます!


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癒されまくりのにゃんこ生活がスタート

 ある雨の日、吉野ヤコは会社からの帰宅中、ダンボールに入った子猫を拾った。現在独身で会社では社畜状態のヤコに子猫が飼えるのか不安でいっぱいであったが、あまりの可愛さと人懐っこさに飼うことを決心する。この子猫はオスで名前を「トシゾー」とした。それからトシゾーは困るくらいにすくすくと元気いっぱいに育っていく。そんなある時、トシゾーにある現象が。それは人間の言葉みたいな鳴き声を発するようになったことだ。動画投稿サイトでアップされているいわゆる「空耳動画」のようなものかと思っていたヤコ。しかし半年後、トシゾーは完全にしゃべっていたのであった! しかもその声はとてもあまく、お耳が悶絶しちゃうイケメンボイス! 飼い始めてから1年経つと会話がちゃんと成立し、家の中がトシゾーによって荒らされていた日なんかは、ヤコの耳元でトシゾーがイケメンボイスで「ごめんね」と謝りノックアウトされる始末。だからどんなにトシゾーがいけないことをしちゃっても、わがままを言ってきちゃっても許してしまうヤコがいた。だけどそれは社畜のヤコにとって“癒し”でもあった。そんなヤコの心が弄ばれる魔性のイケボ猫とのハートフルな同居生活ストーリーだ。

魅力たっぷりなトシゾーとの物語。その見どころ

 おまけの描き下ろしストーリーを含めた全18話。ワンちゃんネコちゃんに限らず、動物と一緒に暮らしている方も、いつかは暮らしたい方もこの作品にゾッコンになります(「するかも」ではなく、確信です)。褒め言葉として、なにもかもズルイぞトシゾー! 仕草は猫そのものだし、表情豊かだし、なんといっても心をわしづかみしてくる絶妙なタイミングのセリフにキュンキュンさせられまくりだし……あんたのお腹モフりたいわ! そう思わせるほどにトシゾーくんのことが愛おしくなること必至だ。

 さて、トシゾーのイケボで染まる生活はいろいろな人たちにも影響を与えていく。ヤコの生活はもちろん、性格もいい方向に変えてくれるので、その衝撃は会社の後輩にも感づかれるくらいだ。そんな後輩サイドの話や、トシゾーの天敵であるヤコの弟・弥一との強制生活回は必見! つまり全話が尊くて見逃せない。翻訳いらずの夢いっぱいのにゃんこライフ漫画、ぜひ脳内を妄想で満たしながら読んで、幸せになっていただきたい!

マンガPOP横丁

文・手書きPOP=はりまりょう

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