ビジネスメールは簡潔に。さらに配慮のひとことを添えるだけで、あなたに協力的な人が増えていく!?/「速く」「短く」「感じよく」メールを書く方法

ビジネス

更新日:2022/7/20

01 超速で書けるようになる

 毎日の仕事の中には、メールを読んだり書いたりする時間が少なからずあります。とくにメールによるコミュニケーションは、テレワークの定着とともに増えていて、時間を取られる傾向にあります。

「次から次へとメールが届いて、嫌になっちゃう」
「メール処理に時間がかかりすぎて困ってしまう」
「気づいたらメールを書いただけで一日が終わりそうだ」

 そんな悩みを抱えているビジネスパーソンが多いのではないでしょうか。

 お気持ち、よくわかります!

 文面に悩みながら書くと、1通あたり10分、いや15分かかることもあるでしょう。4~5通送って、気づけば1時間。メールに振り回されて一日が終わるとしたら、なんとも悲しいですね。

 いざメールを速く書こうとしても、相手が上司やお客様なら「失礼があってはいけない」という心配が頭をよぎります。そのため時間をかけて文章を書き、ミスがないかと繰り返しチェックをする。この作業を一日に何度も行うのですから、時間がかかるのは仕方がないかもしれません。

 でも諦めないでください!

 メール力をつけると、今よりも2倍速く書けるようになります。1通のメールを書くために10分かかっていたとしたら、5分でできるようになるのです。そのスキルを本書で身につけましょう。

 まずは、何をどこに書くかといったメールの標準の型を押さえてください。そうすれば、いつでも自由自在にアレンジできるようになります。誰に送るのか、要件は何なのか、1通ごとに異なりますが、パズルのように部分的に置き換えれば、手早くメールが書けるようになります(詳しくは、このあとお伝えします)。

 メールを書く画面は真っ白ですが、ゼロから文章を書かなければと、意気込まないこと。もっと肩の力を抜いてリラックスしましょう。「あっという間にメール一丁上がり!」という自分を想像しながら読み進めてみてください。

 悲しいかな、がんばって残業したって褒めてもらえません。それよりもササッとメールを仕上げて、仕事をテキパキ進めましょう。

02 上司から信頼される

 上司から「〇〇さん(あなた)のメールはわかりやすいね」と言ってもらえるようになりましょう。メールがわかりやすいと、仕事そのものへの評価が高まります。理由の1つは、相手の時間を奪わなくて済むからです。一度読んだだけで言わんとすることが伝われば、上司は二度読み三度読みせずに済みます。短時間で正しく意思疎通が図れるのです。

 逆に、わかりにくいメールを送ってしまうと、「ここはどういう意味?」と質問がきて、あなたはそれに答えなければなりません。やりとりが増えれば、お互いの仕事がはかどらず、時間を浪費してしまいます。

 多くの職場では人員削減によって一人当たりの仕事量が増えているため、上司もたくさんの仕事を抱えていることでしょう。デキる部下とは、そのような中であっても上司の仕事を減らす人です。上司をラクにするためにも、一度読めば伝わるメールを送りましょう。

 テレワークをすると、上司と離れて一人で仕事をしなければなりません。従来は、すぐそばに上司がいて、わからないことがあれば質問して教えてもらえましたが、テレワークでは簡単にはいきません。お客様に送るメールに自信がなく、上司にいったん送って添削してもらわないといけない、といった状態だと上司の負担は増すばかり。当然、あなたの待ち時間も増えてしまいます。

 チームの仕事が遅れがちになれば、誰もハッピーになりません。

 だからこそメール力を高めましょう。幸いメールは独学できるスキルです!

 やがて上司から「〇〇さんなら安心して任せられる」「よろしくね」と太鼓判を押されたら喜ばしいことです。

 メール力をつければ、同僚と差をつけることだってできます。上司だって失敗したくはありませんから、大事な案件や重要なお客様の担当者を選ぶときは、信頼できる部下を指名します。

 わかりやすいメールは、考える力と伝える力がある証。上司から抜擢され、スポットライトを浴びることができるでしょう。

 毎日コツコツとメールを書き、トレーニングを積み重ねてください。信頼は一日では手に入りません。信頼貯金の残高を増やすつもりで前向きにメールと向き合うのです!

03 仲間から応援してもらえる

 ビジネスメールは簡潔に書く。これが基本です。ダラダラとした長文や結論がわからない文章は嫌がられます。

 でも、メールはコミュニケーション手段なので、ただ簡略に書けばよいというわけではありません。近い将来はAIが書くかもしれませんが、今のところ書き手は私たち。読み手に協力してもらうためには、感じよく書くことも大切です。

 メールに、ちょっとした気配りの一言をつけ加えるだけで、やりとりがスムーズになりますし、あなたの協力者が増えていきます。

 気配りの言葉を添えるといっても、時間をかけて丁寧に書くという意味ではありません。同じことを伝えるにも言い方をちょっと変えるだけで、「〇〇さんのメールは感じがよいな」と好感を持たれるのです。

 相手を思いやると、自分に返ってきます。気持ちのよいやりとりをするうちに人間関係が構築でき、目標に向けてチームワークがよくなります。

 人と人が仕事をするときは、思うようにいかないことも起こります。

 例えば、約束をすっぽかされたとき、あなたが怒って「どうなっているんですか!」とか「プロとしてなってない」といったメールを送ると、売り言葉に買い言葉でケンカになるかもしれません。

 そうではなく、「その後、〇〇の進捗状況はいかがでしょうか」と優しくたずねましょう。さらに「私どもの依頼がご負担になっているのではと案じております」「お手伝いできることがありましたら、遠慮なくおっしゃってください」などと手を差し伸べれば、きっと相手は申し訳ない気持ちになり、全力投球で仕事に取り組んでくれるのではないでしょうか。

 そうです。物は言いようです。

 あなたが意図するのは、相手を怒らせることではありません。きちんと仕事をしてもらうことなのです。仕事は一人では進みません。人を巻き込み、動かしましょう。

 メールは書き手の人柄や仕事ぶりを表すものです。一方的で高圧的に書いてくる人もいれば、相手の立場になって書いてくる人もいます。どちらの人と仕事をしたいかは言うまでもありませんね。ぜひ「〇〇さんと仕事をしたい!」と言われるような書き方をしてください。

<第2回に続く>


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