ほっこり、そして涙…盲導犬になる赤ちゃんたちの激カワフォトブックから学ぶ「命の尊さ」

暮らし

2018/2/19

『クレアのあかちゃん』(吉田太郎/セブン&アイ出版)

 クレアは、教師と一緒に学校へ登校するラブラドール・レトリーバーのメス。立教女学院小学校では「動物介在教育」の取り組みとして、学校にワンちゃんがいる。生徒たちはクレアを通して、たくさんのことを学んでいる。

『クレアのあかちゃん』(吉田太郎/セブン&アイ出版)は、クレアが赤ちゃんを出産し、9ひきの子犬たちが育ち巣立つまでを写真で楽しむ「子犬の可愛さにニコニコほんわかして、盲導犬の知識を深めつつ、なんだかジーンと来ちゃう」フォトブックだ。

 クレアはアイメイト(盲導犬)の子犬を産むという大切な役目を担っている。

 学校で生徒と接するクレアの存在は、多くの子どもたちに楽しみや安らぎを与える一方、「小学校で盲導犬を繁殖させる」という役割によって、「盲導犬について」「障がいを持つ方について」「命の大切さ」など、たくさんのことを学ぶきっかけになっている。

 この学校が「小学校で盲導犬の繁殖」を始めたきっかけは、2016年7月に神奈川県で起こった障がい者支援施設での殺傷事件。多数の死傷者を出した、この痛ましい事件に際し、「障がい者に対する差別や無理解」を感じたことから、「視覚障がい者の自立や社会参画に寄与するという視点を、クレアや子犬たちから、子どもたちが学んでくれることを期待」しているそうだ。

 そして本書は、そういった立教女学院小学校の取り組みを通し、障がい者に対する考え方を深め、盲導犬への興味関心を持ち、その普及につながる一助となる一冊となっている。

 ……と、ここまでマジメなことばかり書いてきたが(一番大切なことなので!)、本書は基本的に愛くるしい子犬ちゃんと、優しいお顔のお母さん犬クレアの成長を写真で追った、めちゃカワの「癒し」フォトブックである。

 なので、「最近疲れてるから、頭を空っぽにして子犬で癒されたい」という方にもおススメだし、小さいお子様へのプレゼントにもいいだろう。子犬たちの可愛さを堪能した後、盲導犬のことや、障がいがある方の社会との関わり方に、「ちょっと想いをはせてみる」くらいでも、いいのではないだろうか。

 その「ちょっと」が、街中で盲導犬と視覚障がいを持つ方を見かけた際や、盲導犬育成のための寄付を募っている時などに、「何か手助けすることはないかな?」とか「寄付してみようか」とか、自分を動かす一歩になると思う。

 クレアが赤ちゃんを産んで、その子たちがすくすく育って、そのお世話を手伝う子どもたちの表情がキラキラしていて、その赤ちゃんたちが将来、誰かの「目」となり、人間と関わり続けるんだなぁ……と、そう思うだけで、なんだかジーンときちゃうフォトブックでした。

文=雨野裾