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『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット) (岩波ブックレット NO. 773)

『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット) (岩波ブックレット NO. 773)

『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット) (岩波ブックレット NO. 773)

作家
梨木香歩
出版社
岩波書店
発売日
2010-01-09
ISBN
9784000094733
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『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット) (岩波ブックレット NO. 773) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

作家としての視点が十全に生かされた「読み」と「解釈」である。インドの家の中でヘビを見るシーンなどは、なるほどと眼を開かれる思いだ。また、物語全体の構造を、「秘密の花園」を外なるものとしてではなく、メリーの内なる「喩」(それは、メリーだけではなく同時にコリンや、この邸そのものでもあるのだが)として捉える見方にも説得力がある。そして、なによりも梨木香歩さんのこの作品への強い共感と愛情とがひしひしと伝わってくる著述だ。

2012/04/30

本書は70P程の冊子ですが『秘密の花園』を漫然と読んでいた私には気付けなかった事が色々と書いてありました。読み手が百人いるとすれば、百の主人公を持つ、百の庭がある。うんうん、確かに読み手の感じ方はみんな一緒ではないし年齢や性別によっても違ってきます。それにしても少し前に読んだばかりなのに忘れてしまっている部分の何と多い事か。。。このノートを読んでより一層『秘密の花園』という物語が好きになりました。

2019/04/05

アキ

イギリスに留学経験がある児童文学作家らしい小説「秘密の花園」の読み解きが楽しい。主人公メアリーは10歳で、秘密の庭も10年間打ち捨てられていた。彼女が両親に目をかけられずイギリスで変わっていくように、この庭も生命力が溢れ出る。屋敷のコリンは昔の彼女の姿であり花園で生き返るが、庭の青い空はコリンの母が見守る目線のようである。物語はコリンと父親の庭での出会いで終える。メアリーの父親の不在の分、母性の力強さが強調される。自分自身という屋敷の中の秘密の庭には何が見えるのか、隠喩の意味を解読する愉しみが味わえる。

2022/08/19

よこたん

“『秘密の花園』という物語は、個人の物語であり、家の再生の物語でもある。” 課題本を読み込んできて、先生の講義に耳を傾ける、学生に戻ったような嬉し恥ずかしさに包まれる。自分の思うままに感じる読書があれば、作者が言いたかった、伝えたかったことを紐解く読書もある。読んだ人の数だけ、物語があってもいい。そう言いつつ、梨木さんのガイドに付き従っていくことの心地よいこと! 梨木さんの筆による『秘密の花園』を読んでみたくなる。ぜひとも、庭の木々と草花の描写を多めでお願いしたい。

2017/06/12

mizuki

読メをきっかけに出会った一冊♩梨木香歩さんが秘密の花園のあらすじを語り、解説している本。冷静な分析と解釈に作家の読書力を感じました。

2016/05/22

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