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ヘルマンとドロテーア (岩波文庫 赤 405-5)

ヘルマンとドロテーア (岩波文庫 赤 405-5)

ヘルマンとドロテーア (岩波文庫 赤 405-5)

作家
ゲーテ
佐藤 通次
出版社
岩波書店
発売日
1981-06-16
ISBN
9784003240557
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ヘルマンとドロテーア (岩波文庫 赤 405-5) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

ゲーテは明るい。朗々としている。その点が本当に好きだ。フランス革命の騒乱を背景にした叙事詩。ちょっと古風だが、リズミカルな訳文で読みやすかった。真面目な青年ヘルマンが、難民のドロテーアに恋をする。父親は最初反対するのだが、ドロテーアの本当の人柄を知った後に結婚を認める。ハッピー・エンドなので安心して読める。読んだ後は胸の中をそよ風が吹き抜けていくような心地になる。ゲーテが自分の作品の中でこれを一番愛していたことに納得。深読みもできる内容で、特に難民の苦しさは現在の中東の問題に通じるものがあった。

2017/04/05

KAZOO

「若きウェルテルの悩み」と並んでゲーテの青春文学で叙事詩になっています。ゲーテもこの作品を気に入っていて、さらにゲーテの母親もこれを誉めたということで有名となっています。この作品に影響を与えているのはフランス革命であり、登場人物もそれについてしばしば語っています。日本語訳も読みやすく、抒情的な感じがよく表れていると思いました。

2015/07/20

Gotoran

フランス革命後の動乱期のある夏の日、ライン地方を追われた避難民が通り過ぎていく。彼らに救援物資を届けに行った裕福な市民のヘルマンは、避難民の娘のドロテーアと出会う・・・裕福な家の息子青年ヘルマンと避難民として生きるドロテーアの恋愛叙事詩。もう一つの恋愛が主題の作品『若きヴェルテルの悩み』とは異なって、総会で気持ちが明るくなる読後感だった.先に読んだエッケルマンの『ゲーテとの対話』で老ゲーテが好んで繰り返し読んでいたと云う本作品を読んでみた。

2020/02/01

syaori

作者が「終生愛誦してやまなかった作品」なのだそうですが、とても分かる気がします。仏革命の余波で難民となったドロテーアと一市民ヘルマンの美しい愛の始まりを追った本書は、英雄的叙事詩に対し市民的叙事詩と評されたそうですが、この市民的叙事詩は、英雄の悲劇的な運命を追う前者とは違い何と明るく未来へ開かれていることでしょう。ドロテーアのかつての許婚の言葉が暗い影を落としはしますが、彼らの街が昔、大火から復興したように、動揺の時代にあるヘルマンとドロテーアもきっと志を堅固に保ち世界を造ってゆくと信じられるのですから。

2018/04/18

ひめか*

課題のため読了。裕福な一市民の息子ヘルマンがフランス革命の避難民の娘ドロテーアを妻に迎えるまでを描いた物語。女ばかりで屋敷にいた時兵隊が襲いかかってきたところ一人の娘が刀で切りつけたというエピソードを聞いて、かっこいいなと思った。それがドロテーアだ。ヘルマンの母も良い人だな。息子が恋心を抱いてることをすぐに見抜くし、最後はドロテーアが帰ろうとしたところを「私は放さない」と言って息子に告白を促したのも母。父も始めはお金持ちの娘と結婚しろと言っていたけど、ドロテーアを受け入れてくれて良かった。ハッピーエンド。

2016/07/09

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