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俳句という愉しみ: 句会の醍醐味 (岩波新書 新赤版 379)

俳句という愉しみ: 句会の醍醐味 (岩波新書 新赤版 379)

俳句という愉しみ: 句会の醍醐味 (岩波新書 新赤版 379)

作家
小林恭二
出版社
岩波書店
発売日
1995-02-20
ISBN
9784004303794
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俳句という愉しみ: 句会の醍醐味 (岩波新書 新赤版 379) / 感想・レビュー

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harass

前作『俳句という遊び』から四年、再度の句会の実況中継。参加者8人がその場で出されるお題にそって、一句あたり10分で詠む。お題の数は10。提出後は名を伏せて採点しあい、寸評を加えていく。今回歌人岡井隆が参加し、短歌と俳句のセンスの違いなどが語られる。前作と同じく各俳人たちの来歴なども。今回句会の意図などを前もって参加者に伝えてあり、準備しているせいか前作よりも面白く感じられた気がする。前作もこれも俳句の入門にふさわしい本。

2018/03/28

メタボン

☆☆☆★ 1泊2日の楽しい句会の様子が伝わってくる。舌、待つ、線といった一癖ある題に対して、各俳人の読む句が個性あふれて面白い。「舌荒れてをり猟銃に油差す」小澤實が一番印象に残った。

2019/05/06

かふ

俳句が関係性(座)の文芸と言われるのは句会を通して理解すると、例えばここではベテラン俳人と若手俳人の中に歌人の岡井隆を入れて同じ韻文詩でもその違いを明確にしている。また俳句の師弟関係もあるので、お互いに作風が読めるというのがあるようだ。それは内輪のゲームなのだが、それによって句会を楽しむということがある。俳句が挨拶だと言われるのは、季節や自然、そしてその場の関係性に対しての座の文芸なのである。その解説者として小林恭二がプロデュースするのは伝統俳句の約束ということになる。

2024/03/05

おおた

読書会を開催する根本の一つはこの本。俳句という構え方でなく、普段から言葉を選ぶ瀬戸際、言葉・日本語の芳醇さを一気にここで思い知らされて、自らの言葉の狭い鉢を少しでも広くしたいと試みる。575の枠で言葉が配置されることで、我々の脳みそは一気に色彩と造形をかたちづくる。その瞬間を何度も磨いていこうとする人々の記録。再読するたびに新たな発見があるって野暮ですが、何度も読み返すべき、そしてこの刺激ほどの己の受容体を育てたいと反省させられる一冊。若人読むべし。

2014/09/04

azimuth

句会録。匿名で提出された句を採点批評したのちに作者を明かすという性質上、大御所の句が再起不能なまでにダメ出しを受けたり、もっとも貶した者が蓋を開ければ作者であったり、作者の名前が明かされたあと一瞬の沈黙があったりと、胃の痛くなるようなほくそ笑みたくなるようなやりとりを本題と同じくらい楽しんでしまった。8人の俳人が10の題で詠む題詠では、筆者の勧めに従って自分でも正選、逆選を選んでみたが、見事なまでの偏りよう。嗜好が知れたということで、岡井隆(歌人だけども)と攝津幸彦は他の作品も読んでみよう。

2014/04/16

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