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親密な手紙 (岩波新書 新赤版 1993)

親密な手紙 (岩波新書 新赤版 1993)

親密な手紙 (岩波新書 新赤版 1993)

作家
大江健三郎
出版社
岩波書店
発売日
2023-10-20
ISBN
9784004319931
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親密な手紙 (岩波新書 新赤版 1993) / 感想・レビュー

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kinkin

短いエピソードだが読み終えて、内容のレベルの高さに撃沈・・・・大江作品も読んだことがないし、文学のこともすっからかんにわからない私は恥ずかしい思い。読み直してみたい。図書館本

2024/03/05

kaoru

『図書』に2010~13年まで連載された「親密な手紙」をまとめた一冊。武満徹、義兄の伊丹十三、大岡昇平、恩師渡辺一夫、安部公房、E.サイードとの様々な交流が語られるかと思えば郷里の村のノリウツギが咲く山の斜面がゴルフ場建設のため削られたエピソードが登場する。グローヴ・プレス社の社主バーニー・ロセットが大江氏の英訳出版を後押ししてくれたことや東大の同級生で後にサルトルの研究家となった海老坂武氏の逸話も興味深い。そして大江氏の人生をある意味では決定づけた長男の光さんの存在。静謐な音楽のようにこちらの心に→

2023/10/27

I (et al.)

人生において、入り込んでしまう窮境を、そのたび乗り越えさせてくれる「親密な手紙」。サイード、渡辺一夫をはじめ、作家仲間、友人、母、息子、妻まで、さまざまな人物が登場するエッセイだが、全体をつらぬく静謐さ、深さは、晩年の仕事にとりかかった大江の老境ならではであろう。

2024/02/29

くまさん

「きみが今も持っている大切な本で、買った日付が一番古いものは何?」少し思い出すのに時間はかかるけれども、この文庫です、と答えられる。手紙は現在の読み手に宛てられている。著者の本と勉強と家族とをめぐる回想、狂気や希望や晩年についての言葉が、窮境に陥りそうになる自分を鼓舞してくれる。まずは読むことに徹すること、そしてしっかり生きましょう!と。「「狂気」によつてなされた事業は、必ず荒廃と犠牲を伴います」(渡辺一夫)。座右の言葉としたい。

2024/03/09

hasegawa noboru

作家が「晩年の仕事」をしていた頃の消息を伝えることになったエッセイ集。家族を含め、小説でモデルとして近しい人たちなどとの交流。大江が亡くなった今、読者に向けて綴られた心優しい「親密な手紙」のようにも思えてくる。四章で中断した形になっているのが惜しまれるが、老年の作家のいわゆる円熟、老成の境地を拒否して、読みつづけ、書きつづけ、反原発の集会にも参加しつづけた大きな作家だった。その作品群は、今、未来につながる課題として、読み継がれることだろう。三十代に編集・解説したという『伊丹万作エッセイ集』の文庫化に

2023/11/03

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