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増補版 悪役レスラーは笑う 「卑劣なジャップ」グレート東郷 (岩波現代文庫 社会331)

増補版 悪役レスラーは笑う 「卑劣なジャップ」グレート東郷 (岩波現代文庫 社会331)

増補版 悪役レスラーは笑う 「卑劣なジャップ」グレート東郷 (岩波現代文庫 社会331)

作家
森達也
出版社
岩波書店
発売日
2022-05-13
ISBN
9784006033316
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増補版 悪役レスラーは笑う 「卑劣なジャップ」グレート東郷 (岩波現代文庫 社会331) / 感想・レビュー

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遊々亭おさる

戦後のアメリカ・プロレス界には田吾作スタイルでリングに上がり、奇襲攻撃で相手レスラーの目に塩をすり込み下駄で殴打する悪役日系人レスラーが観客の憎悪を一身に浴びていた。同時期の日本では空手チョップで碧眼の相手レスラーを打ち倒し、敗戦に打ちひしがれる日本人の国民的ヒーローに上り詰めた男がいた。グレート東郷と力道山、二人が墓場まで隠し通した秘密を通してナショナリズムを考える一冊。善と悪、嘘と真、光と影が混じりあい、渾然一体となった状況を読み解く作業は読むプロレスの醍醐味。事実はひとつだが、真実はひとつではない。

2024/01/02

Satoshi

戦後のプロレス黎明期に日米で活躍したグレート東郷を軸としたドキュメンタリー。最後までグレート東郷の出生は分からないままであったが、右翼やヤクザが仕切る当時のプロレス界の内幕を知れて面白かった。森さんのドキュメンタリーは主観が入りまくるが、これも著者のスタイルかと思う。

2023/08/27

Uz あなぐま

テレビとプロレスが蜜月だった戦後の復興期、おおらかで野蛮な時代の日本人の記憶に強く印象を残したグレート東郷。悪役レスラーとして成功した日系二世の実像を探る。という構想で調べ始めるが資料がほとんど無く、当時を知る人の多くが亡くなっている。力道山とのビジネスを越えた関係、出自をめぐる謎。証言は食い違い、難航する取材は曖昧さを残す。東郷本人への深掘りはうまくいかないが、彼が生きたプロレス業界や周辺の証言者へと拡散していく著者の思索が面白い。「世界はそんなに単純にできてはいない」という視点は森達也の魅力。

2023/09/09

zhiyang

アメリカのプロレス、そして日本のプロレスの黎明期のヒール・グレート東郷の出自の謎に迫る。東郷や力道山の出自をフックにしてナショナリズムやメディアの潮流にも言及する。少し散らかっていて鬱陶しい印象もあるけれど、単純化と過激化に対比して、プロレスは善悪の構図をかなり意図的に作るからこそどこまでが虚構でどこからがマジなのかを撹乱するという語りが東郷のミステリアスかを際立てていて良い。増補版で加筆された部分には木村花への言及も少しあったが、「悪を演じる」複雑さを私たちは受け止められらないのかもと考えるなど。

2023/01/15

みかん屋

もちろんテレビでも見た事ないが 空手バカ一代に出てたから興味があった表紙の顔を見て安田大サーカスのクロちゃんと思った

2023/01/15

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