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訂正する力 (朝日新書)

訂正する力 (朝日新書)

訂正する力 (朝日新書)

作家
東浩紀
出版社
朝日新聞出版
発売日
2023-10-13
ISBN
9784022952387
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「訂正する力 (朝日新書)」のおすすめレビュー

論破ブームが生んだ弊害は「訂正する力」の欠如。東浩紀が教える、あやまちを認め訂正に寛容になり自分を正していく力

『訂正する力(朝日新書)』(東浩紀/朝日新聞出版)

 意見をコロコロ変える人は信用しづらいが、周囲の意見に耳を貸さず、一貫して主張を変えない人もしんどい面がある。SNS時代で自分の意見を貫き通そうとすることで、人と衝突することもままある。

『訂正する力(朝日新書)』(東浩紀/朝日新聞出版)は、今の時代、政治家は謝らず、官僚は間違いを認めないことに代表されるかのように、日本には「変化=訂正を嫌う文化」がある、と述べる。変化の時代にあって、日本は依然、魅力的な国である一方、先述の文化から、様々な分野で行き詰まりがある、と本書。日本を立ち直らせるためには、トップダウンによる派手な改革ではなく、一人ひとりが現状を変えていく地道な努力が欠かせないと説いている。そこで必要となってくるのが、本書名でもある「訂正する力」なのだそうだ。

 本書によると、かつて日本は訂正する力で成長してきた。中国に接したら中国の文化を受け入れ、欧米がきたら欧米の文化を受け入れる。野放図のようだが、日本語をローマ字化する運動が潰れたり、天皇制が続いたりと、肝心なところは変えていない。改革に…

2023/12/13

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訂正する力 (朝日新書) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

trazom

「本書は語り下ろしです」とある(聞き手と構成は辻田真佐憲さん)。著者の意図が理解できないのは、それが原因だろうか。何度も繰り返される「訂正する力」というものが分からない。反例として示される「西欧に較べ、日本は訂正する力に欠けている」「理系の世界には現在の理論しかない。過去の理論は必要ない」「リベラル派は独自の歴史観に乏しい」などの決めつけに付いてゆけない。訂正の極みが「歴史修正主義」ではないかと危惧するが、それは「修正」だから違うと言う。やっぱり分からない。きちんと読み切れない自分の不明を恥じるほかない。

2024/01/19

tamami

著者は、日本にいま必要なのは「訂正する力」であり、それは、ひとが固有の「生」を肯定的に生きるために必要な力でもあるという。以下、「訂正」するということに関する古今の事例を引きながら、殊に現代日本の「訂正できない」風土や人士について、その可能性を探っていく。「老いることは訂正すること」「人間は訂正の能力を発達させたため意識をもつようになった」「人文学者が「訂正の経験」を売る」「日本独自の多様性とは」「平和主義の「訂正」をすべき」、等々蠱惑的なフレーズが飛び交う。限りある己の生における「訂正」の意味を考える。

2023/12/09

はっせー

考えることが好きな人に読んで欲しい本になっている!まず装丁。ヨシタケシンスケのイラスト。あー!めっちゃいい!その絵に誘われてしまい手に取ってみた。通読して私は、いまの世の中に必要な力についてうまく書かれておりわかりやすいな~って思った!訂正する力。過去を再定義して現在と過去をつなぐ力。「じつは…だった」というのがキーワード。過去をなかったことにするのではなく過去と現在との連続性を保つための力。何度か読み直したい本になっている!

2024/01/29

けんとまん1007

いつからだろうか「○○する力」という言葉や、一方的に叩き排除しようとする風潮が強くなったのは・・と考える。短絡的でかつ短期的なものの考え方ではないかと思っている。物事は簡単に白黒つけられるものではないし、二項対立でよいとは思っていない。考え方や判断は、変わりうるものだと思うし、自分自身もこれまでも変わってきたと思う。お互いに、相手を尊重しようとする姿勢から始めること、また、そこからしか先に進まないと思う。そんなことを考える背中を押してもらえる1冊。考え続けることだと思う。

2024/03/11

ネギっ子gen

【「訂正する力」とは、物事を前に進めるために現在と過去を繋ぎ直す力。持続する力、聞く力、記憶する力である】そして分断とAIの時代にこそ、人が固有の「生」を肯定的に生きるための力になる。哲学の魅力を支える「時事」「理論」「実存」の三つの視点から、現代日本で「訂正」することの意味を問う。「はじめに」で、<もう日本はだめなのでしょうか。ぼくはそうは思いません。ただ、そこで必要になるのは、トップダウンによる派手な改革ではなく、一人ひとりがそれぞれの現場で現状を少しずつ変えていくような地道な努力だと思います>と。⇒

2024/03/14

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