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人もいない春 (角川文庫 に 18-2)

人もいない春 (角川文庫 に 18-2)

人もいない春 (角川文庫 に 18-2)

作家
西村賢太
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2012-01-25
ISBN
9784041001264
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人もいない春 (角川文庫 に 18-2) / 感想・レビュー

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ナマアタタカイカタタタキキ

彼の著書を手に取るのはこれで三冊目。ここまで来るともう怖いもの見たさである。友達の友達に当たる無頼漢の武勇伝を、酒の肴に聞くような感覚に近い。秋恵とのやり取りに大いに人間味を感じるのは、やはり貫多のその多情多感な矛盾した言動故だろう。こうも両極端ではなくとも、人間とは自己の中にある程の不一致を抱えているものだと私は思っていて、そこに憎めなさを感じるのだ。まあ、一緒に暮らすどころか交際も御免蒙りたい相手であることは間違いないけれど。中ごろにある鼠の挿話は彼の創作スタイルにおいてかなり異色で、なかなか新鮮だ。

2021/07/16

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

6本の短篇集。どれもすごく良い。表題作みたいな辛い夜は私にもあった。今もある。貫多は私だと思った。『二十三夜』は失恋話。笑える。『悪夢』のみ私小説じゃない。『乞食の糧途』〜『昼寝る』迄の三篇は秋恵ちゃんシリーズ。いつもの秋恵ものと違い、同棲開始当初だからか、ちょっと幸せな雰囲気がある話。『昼寝る』のラストなんて本当にいい。もう一度読み返したい短篇集。解説が南沢奈央だが、南沢奈央を知らない人もまだまだ多いだろう。文末に(女優)とでも解説してあげて欲しい。

2012/02/02

メタボン

☆☆☆☆☆ 追悼西村賢太。あっけなく亡くなってしまった。もう彼の新作を読めないと思うと寂しい。本作も相変わらずの貫多の駄目っぷりと秋恵の良い女ぶりを堪能。何でこんなに面白いのだろう。発熱をして秋恵の献身ぶりを思い知る「昼寝る」、麻婆豆腐がトラウマになる「赤い脳漿」、スナックの女との罵りあいが壮絶な「二十三夜」、アルバイト先で孤立し悲哀感が漂う表題作、危ういトラックの運転が腹立たしさを募る「乞食の糧途」、鼠たちの悲劇「悪夢ー或いは閉鎖されたレストランの謎」。

2022/02/14

ミカママ

相変わらずの貫多のだめっぷり。でも暴力描写が少なかったのですんなり読めた。秋恵ちゃんのかわいらしさが救い。

2013/02/18

i-miya

2012.04.12(初著者、初読)西村賢太著。 2012.04.10 (カバー) 小さい頃から執念深く、生来の根がまるで歪み根性で出来ている北町貫多。中卒で家を飛び出して以来、流離の日々、人とうまく付き合えない、上司、同僚大学生、唯一一時同棲秋恵、自ら関係破壊を繰り返す、その孤独。芥川賞受賞作『苦役列車』に繋がる。破滅型私小説。   (西村賢太) 1967、東京生まれ、中卒。   

2012/04/12

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