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エミリの小さな包丁

エミリの小さな包丁

エミリの小さな包丁

作家
森沢明夫
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2016-04-27
ISBN
9784041032084
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エミリの小さな包丁 / 感想・レビュー

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yoshida

都会での事情から、エミリは漁師町に住む祖父の家に身を寄せる。15年振りに再会する祖父とエミリ。祖父と漁師町の人々の優しさが、エミリを徐々に立ち直らせていく。しかし、かつての友人がエミリを訪れ漁師町にも毒を残す。そこからエミリは人生にどう立ち向かうか。挫折からの再生はよくある題材ではある。しかし人物の心理描写が丹念で、エミリと祖父の料理がアクセントを与える。人は生きていれば失敗するし、苦しい過去もある。それでも生きていく。毎日の中で少しでも小さな幸せを見つけながら。旅立つエミリの姿が美しい。素敵な作品です。

2018/04/29

ウッディ

都会で傷つき、逃げるように祖父のいる海辺の村にやってきたエミリ。海の恵みとおじいちゃんの深い愛情に包まれたスローライフを経て、自分らしさを取り戻していくエミリに、ささくれだった心が癒されました。毎日研がれ、小さくなった大切な包丁で祖父と作る魚料理が美味しそうで、自分たちが食べる分だけを採るという生き方も素敵でした。包丁という武器を隠し持って、とある場所に向かうという物騒なプロローグが、エピローグでは感動に変わっていくまさに森沢マジックでした。祖父が大事にしていた包丁の送り主の秘密も、温かく胸に沁みました。

2021/08/23

まちゃ

都会生活で心に傷を負い、10年以上会っていなかった祖父の家に転がり込んだエミリ。心を込めて食事の支度をする無口な祖父の温かさに触れて、エミリは回復していく。森沢さんらしい癒やしの物語でした。大三おじいちゃんの美味しそうな魚料理の数々を食べてみたくなりました。

2016/07/10

小梅

サイン本。期待通り良かった。 エピローグでついに涙腺決壊。これ…続編とかあるかな?その後が読みたい!

2017/06/05

おしゃべりメガネ

今作も完全にヤラレました、唯一無二、そして完全無欠の森沢さんワールドに。ココロにキズを負ったワケありの25歳「エミリ」が10数年ぶりに連絡をとり、向かった先は祖父の待つ静かな田舎町。そんな環境の中で、そこに暮らす人々との新たな出会い、そして助けをもらいながら一歩一歩、ゆっくりながらも少しずつ再生していく物語は、鉄板であり真骨頂でもあります。とにかく最初から最後まで、その情景描写の美しさにひたすら引き込まれ、まるで風景が描き出す音までもが聞こえそうになるくらい、抜群の描写です。勿論、涙腺を破壊されました。

2016/05/21

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