KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

山の霊異記 霧中の幻影 (幽BOOKS)

山の霊異記 霧中の幻影 (幽BOOKS)

山の霊異記 霧中の幻影 (幽BOOKS)

作家
安曇潤平
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2016-07-02
ISBN
9784041044742
amazonで購入する

山の霊異記 霧中の幻影 (幽BOOKS) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

夢追人009

山岳怪談の専門家・安曇潤平さんの「山の霊異記」シリーズの4冊目の著作ですね。本書は大部分が著者の実体験で「俺」という人称で綴られる物語は山岳紀行文としての風情もあって全16編の全てが一級品の誠に素晴らしい内容ですね。『三枚鏡』信州の松本からK温泉に向かう国道の北東に壁のように立ちはだかるT峰を登っているとカーキ色の山シャツにグリーンの帽子をかぶった若い女性に出会う。女性と話をし彼女はポーチから3枚の鏡が繋がるコンパクトな三面鏡の様な鏡を出して見ていた。それから先に行き後に再び会うと彼女がまた鏡を見ていた。

2022/03/24

HANA

実話怪談を離れ、完全に山を舞台とした怪談小説になっている。でも最近の実話怪談では削ぎ落とされている描写の数々、山中や里のそれは読んでいて何とも心地よい。怪談としては微妙な話も多いが、山を楽しむ小説としてはむしろ現在の流行から離れた浮世離れしたような、こういう話の方が相応しいのかもしれない。特に「河童淵」等は昔訪れた遠野の風景が幻想を包み込むように懐かしく思い出されたし、山の描写の数々は最近登山を始めた身として何とも誘い込まれるように感じた。怖かったのは何といっても「ぼくちゃん」、サイコホラーでしょ、コレ。

2016/07/20

ネムコ

私にとって安曇さんのお話は山の物語です。実際には大変な登山の辛さがさらりと書かれているところが良い。『急登を30分ほど頑張ると』なんてあると、自分でも登れる気がしてきます(笑)。あ、一応怪談なんですよね。強いて言えば「付きまとう女」はイヤです。それから確かに行って飲み食いしたのに、後日知り合いが探してもその店が見つからないといった、狐狸に化かされたような体験談が多いのも安曇怪談の特徴ですね。一番派手だったのは「霧中の幻影」。蛇を虐めるのはやめましょう。

2017/04/04

澤水月

ある作中に「いつ気味の悪い話になるんだよ」と出てくるが昨今の実話怪談慣れしてる人には合わないかもしれないし、そも「実話」でない完全創作創作も多い。それでも遠野の独特の雰囲気は自分が河童淵を訪ねたときの郷愁をありありと思い起こさせたし、ぼくちゃんはかなり怖い。山の風景、花、グルメを楽しみたい人向け綺譚集。

2016/07/06

ichi

【図書館本】登山時に霊と遭遇したという短編集。これは実話なのか?作者が体験したように書いてあるので実話である。と感じますが、この本を読むと、山には常に霊が浮遊しているように思ってしまいます。

2016/12/26

感想・レビューをもっと見る