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そして誰も死ななかった

そして誰も死ななかった

そして誰も死ななかった

作家
白井智之
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-09-30
ISBN
9784041084342
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「そして誰も死ななかった」のおすすめレビュー

絶海の孤島に、5人の推理作家が招かれる――特殊設定本格ミステリで注目の白井智之、待望の新作『そして誰も死ななかった』

『そして誰も死ななかった』(白井智之/KADOKAWA)

 グロテスクな特殊設定を生かしたミステリで注目され、綾辻行人氏をして“鬼畜系特殊設定パズラー”と呼ばしめる白井智之氏。そんな彼の最新作『そして誰も死ななかった』(白井智之/KADOKAWA)は、9か月ぶりの新作となる長編だ。

 大亦牛男(おおまた・うしお)が旅をすると、ろくでもないことばかり起こる。小学校の遠足に出かけた朝は、母が睡眠薬を飲んで死に、中学の修学旅行に出かけた夜は、兄がバイクの事故で死んだ。すっかり旅行嫌いになった牛男は、デリヘルの雇われ店長としてこき使われ、送迎用のミニバンで煙草をふかし、週刊誌の目次を眺めていた31歳の夏、一通の招待状を受け取った。差出人は、覆面推理作家の天城菖蒲(あまき・あやめ)、宛先は、大亦牛汁(うじゅう)。牛汁とは、10年前、文化人類学者だった父の原稿『奔拇島の惨劇』を、自分が書いた推理小説として出版したときのペンネームだ。

 招待状の内容は、菖蒲のデビュー20周年を記念し、同朋を招いて氏の作中に登場する無人島・条島(さなだじま)で祝宴を開くというもの。…

2019/10/2

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そして誰も死ななかった / 感想・レビュー

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W-G

今まで読んだ著者の作品の中では最も本格している。エログロ風味の特殊設定に孤島で『そして誰もいなくなった』してからの多重解決と、あらゆる角度からのギミック満載。多重あるあるとして、中途の推理はツッコミどころだらけなものの、割と読める仕上がり。しかし、島の持ち主さえ発覚してしまえば、来島の経緯からだけで犯人の目星がつきそうなもので、そこに気づくと多重の意義がなくなってしまうという片手落ちな一面もある。しかしまぁ、毎度毎度良く思いつくなーと、発想力には脱帽。世界観やネーミングセンスに平山夢明臭が強すぎるのが難。

2019/10/30

starbro

白井 智之は、新作中心に読んでいる作家です。本書は「そして誰もいなくなった」+「屍人荘の殺人」÷2といった感じでした。この設定なら、もっとはっちゃけて、ぐちゃぐちゃにしても、良かったのではないでしょうか?「昆虫人間の顔面串刺しショー!」を観てみたい!【読メエロ部】

2019/10/28

hit4papa

クローズドサークルもの…ですが、一筋縄ではいかない謎解きが展開されます。何せ、登場人物五人が全て惨殺され、生き返って殺された姿そのままに推理合戦を繰り広げるのです。グロテスクな描写が続くので注意されたし。単なるゾンビ話しではないのが良いですね。登場人物たちは、過去、一人の女性と関係を持ったことに思い至ります。彼女は何者なのか、誰が皆を殺害したのか、そしてその動機は…。リビングデッドのカラクリは、荒唐無稽ではあるものの伏線として用意されています。ゆる〜い雰囲気を醸しつつ、しっかりと考えぬかれた本格作品です。

2023/07/13

とろとろ

初読みの作家さん。読後、改めて著者の経歴と作品を調べる。で、すごいタイトルの作品ばかりだということを知る。ミステリー小説の作家らしいが、そのミステリーの母体となる事件や社会性に独特のものがあるということか。この作品、タイトルは例の有名な外国推理小説のオマージュのようであるけれど、以前に読んだ「さよならの儀式」の中にある「海神の裔」とか「屍者の帝国」の影響があるのかなと思ったりした。いずれにしてもこれは「楽園の真下」をもっと強烈にした寄生虫が元凶、絶対夢に出てきそう。作品の傾向は判った。次は無理みたい。

2019/12/06

モルク

孤島にある館に招待された5人。彼らの共通点は推理作家であることと、今は亡きある女性と関係を持ったことがあるということだった。そしてその館で一晩のうちに次々と殺されていく…が、死んではいない。クローズドサークルと多重推理ではあるが、白井ワールドらしく一筋縄ではない。いつもよりグロさは少なめだが十分グロい。身体はボロボロ、赤い血ではなく黄色い膿のような体液をほとばしらせ、ついには寄生虫まで…。こういう作品とはわかってはいるが、やはり白井作品を手にとらずにはいられない。

2019/12/11

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