KADOKAWA Group

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エレファントヘッド

エレファントヘッド

エレファントヘッド

作家
白井智之
出版社
KADOKAWA
発売日
2023-09-26
ISBN
9784041141786
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エレファントヘッド / 感想・レビュー

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夜間飛行

この作者としてはグロ控えめ、とはいえ変態性と背徳性はかなりのもの。ネタバレせぬよう内容には触れないが、特殊設定により人の意識そのものが謎であり罠である。要するに登場人物の意識を介して受け止めた小説世界が何度もひっくり返される。それもメビウスの輪のようにしれっと反転し、前の記述を裏切らないのが凄い。変わり目では一瞬何が起きたのかわからなくなる。後半に入って推理に参加する頃には、人の意識を信用しちゃダメというルールが読者にちゃんと共有されている。ただしロジックが余りにも煩瑣でついていくしかないのは残念だった。

2024/02/05

starbro

白井 智之は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 本書は、象頭遡行パラノイア・ミステリでした。好き・嫌いが二極化すると思われます。個人的には・・・ 🐘🐘🐘 https://www.kadokawa.co.jp/product/322306000038/

2023/11/02

青乃108号

この著者の頭脳はどういう構造になっているのか。複雑に分岐する物語を緻密に作り上げ、そこで行われるどう見ても不可能に思える殺人事件の、(なにしろ普通に歩行中の娘が突然爆発するのだ、そこに爆弾も銃弾も存在しないのに。)真相たるや、張り巡らされた伏線と分岐した物語のそれぞれの関連性が複雑に絡みあって初めて可能になるものであって、こんなの考えつく白井の頭脳はもはや人知を超えている。あまりに複雑すぎて理解が追い付かないので、じっくり時間をかけて読み込む必要あり。しかも最後の絶望的な状況たるや、想像するだに恐ろしい。

2024/01/21

パトラッシュ

SFミステリは数あれど、時間SFとの組み合わせは聞いたことがない。しかもパラレルワールドの概念を導入してタイムパラドックスが起こらない設定にしたので、その点をわかってないと意味不明。そんな世界で亀裂の入った人生を修復しようと奔走するサイコパス医師が、あちらを修繕すればこちらが壊れる事態を繰り返すうちに収拾がつかなくなっていく。人が爆発したり生きる時間の異なる複数の自分と対話するなど、ノーマルなミステリ愛好者には邪道の山だ。そこに論理の筋を通そうとする作者の意図は買うが、読者のどれだけが正確に理解できたか。

2024/03/25

stobe1904

【このミス2024第4位】精神科医でサイコパスの象山は、ふとしたことで苦境に陥り、愛する家族を守るため、状況を打開すべく時間を遡及できる謎の薬物シスマに手を出してしまう…。特殊設定+多重解決の建付けに翻弄され、頭の中がカオスになりながらも途中でやめられず読み切ってしまった作品。独特の世界観の中、パズラーを極めた異色で素晴らしいミステリだった。ランキング上位も納得。★★★★☆

2024/01/13

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