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一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門

一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門

一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門

作家
吉田悠軌
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-03-12
ISBN
9784041109120
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「一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門」のおすすめレビュー

聞き手をビビらせる語り方! 誰も教えてくれなかった夏の風物詩・怪談話のテクニック

『一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門』(吉田悠軌/KADOKAWA)

 夏といえば怪談。友だち同士で幽霊に会った体験談などを語り合った経験はあるだろう。しかし、どれほど震える体験を持っていたとしても、相手を怖がらせるのは難しい……。そう思って手にとったのが、怪談研究家・吉田悠軌氏の『一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門』(KADOKAWA)だ。

 本書は、メディアでも活躍する吉田氏が、怖い話の作り方を教えてくれる1冊。その中から「しゃべり方」についての項目を紹介していきたい。

怪談は適度な“説明”と登場人物の視点に入り込んでの“描写”がキモ

 怪談を話すことに慣れていない人は「情報をひたすら『説明』しようとしてしまう」と著者は主張する。例えば「説明」してしまう人は、以下のような語り方をしてしまうという。

 私の知り合いで、Aさん、という人がいました。Aさんは五年前、地元にあった心霊スポットの廃墟に、友だちと肝試しに行きました。で、そこはボロボロの一軒家で、壁なんかも崩れていたんですね。彼らは家の中に入ったのですが、なぜ…

2022/8/5

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すーー、とふすまが開いてね……怪談に擬音が多いワケは? 話はどこまで実話なのか? 怪談研究家・吉田悠軌が綴る「実話怪談」の裏側

『一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門』(吉田悠軌/KADOKAWA)

 押し入れをすこーし開けて見てると、すーー、とふすまが開いてね。白い足袋がぬーっと出てね、黒い長い髪がふわぁーーーーーっと揺れてね……。

 ……という上記の文章は、 YouTubeで稲川淳二さんが公開していた怪談の一部を書き写したもの。このような擬音の多い語り口は、いまや怪談のステレオタイプとして定着しているだろう。

 こうした話し方は実際に聞くと怖いのだが、「なぜ擬音が多いのか」は、考えてみるとよく分からない。また稲川淳二さんをはじめとした怪談の語り手については、「なぜあんなに多くの怪談を収集できるのか」という疑問もあるし、「話していることは全部実話なのか?」「実話だとしてもどの程度アレンジを加えているのか」と不思議に思っている人もいるだろう。

 そんな怪談にまつわる疑問が氷解する本が『一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門』(吉田悠軌/KADOKAWA)。本書は怪談研究家で怪談の書き手・語り手でもある著者が、「怪談の集め方・編集法・書き方・語り方…

2021/4/3

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一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門 / 感想・レビュー

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ヒデキ

実話怪談の作り方を現役の怪談師である吉田さんが述べています。特に怪現象の集め方、まとめ方は、凄いなあと思って読んでいました。 吉田さんの語りの勧め方が判る内容になっていました 後半の怪談の歴史も面白く読みました

2021/05/04

かおりんご

再読。きちんと実話怪談を書くことを意識して読むと、とてもためになる!私の書いた作品がいかに稚拙だったか、、、これから行う実話怪談の取材方法も勉強になった。相手のことを疑うそぶりは見せない、これ重要ですね。この本は、怪談業界に参入する、したい人のバイブルとも言えます。

2022/04/20

かおりんご

先日、某怪談師さんから「実話怪談を書いてみたら?」と勧められ、勢いで竹書房に投稿してみたのですが、吉田さんの本を読んでからにすればよかったと、ちょっと悔やんでしまいました。この本、これから怪談を子供たちに語ったり、実話怪談を書いたりする際に、非常に参考になります!絵本の読み聞かせ的に読むならできるから、配信してみようかなぁ。でも、配信ってどうやって始めればよいのやら。なんでも挑戦ですね!

2021/03/14

いちろく

「一生忘れない」、「語り方」、「すぐ話せる」に興味を惹かれた訳でもなく、「怖い話」と「入門」に惹かれて手にとった一冊。怪談というジャンルに基礎から踏み込んでいる内容で面白かった。一方で、客観的に解説してくれているので手品の種明かしの様でもあり、怪談を純粋に楽しみたい人向けの本ではない印象も抱いた。ジャンルを問わず大切な事も押さえている辺り、著者の人柄が現れている感じもした。

2021/06/16

ワッピー

読み友さんのコメントから。実話怪談の定義、取材・編集の仕方、例文を引きつつ書き方の文体や視点についての解説、また語り方からコンテストで勝つための傾向と対策、怪談業界史までを網羅する充実の一冊でした。経験者と語り手の差分を埋める構造や「チルポイント」の考え方など、書き方のノウハウは怪談のみに留まらないヒントがありました。最近はコンテストが増えたものの、語り手に比べて審査員の経験が少なく、工夫や技巧が通じない場合もあるという愚痴も面白く感じました。古くからある怪談が今後さらにどう進化するか、興味が尽きません。

2021/09/03

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