「修学旅行の夜のようなワクワク感を」異色の怪談実話作家・郷内心瞳がすすめる1冊
本当にあった怖い話が読みたい? そんな方には取材や体験談をもとに書かれた、「怪談実話」と呼ばれるジャンルがおすすめ。特にここ20年ほどは個性ある作家が続々と登場、大きなシーンを形作っている。「拝み屋」兼怪談実話作家として話題の郷内心瞳さんへのインタビューと特選ブックガイドで、リアルさに背筋が凍る怪談実話の世界を覗いてみよう!
郷内心瞳さん
宮城県で「拝み屋」を開業する異色の作家・郷内心瞳さん。目には見えない世界と日常的に接しながら、その不思議な経験を作品に活かしている。
「拝み屋は地域に根づいた、一種のカウンセラーのような仕事です。先祖供養やお祓いなどもしますが、仕事のトラブルの相談に乗ったり、今年の運勢を占ったりと、生活全般の困りごとが対象。よく読者に『架空の仕事だと思っていました』と言われますが、私の住んでいる東北では困ったら拝み屋に行くという感覚が、年配の方を中心にまだ残っているんですよ」
怪談作家になったのは約6年前。知人のふと洩らした一言がきっかけだった。
「拝み屋のホームページを作ったんですが、営業時間や電話番号を載せてしまうと、もう…