彼女たち
「彼女たち」のおすすめレビュー
「泣いてしまった」の声が続出! 桜木紫乃×写真家の中川正子がタッグを組んだフォトストーリー『彼女たち』
『彼女たち』(桜木紫乃:著、中川正子:写真/KADOKAWA)
なぜ私の人生って、こんなものなんだろう…。頑張りが必ず報われるわけではないこの世の中では、虚しくなり、心が堕ちる日がある。『彼女たち』(桜木紫乃:著、中川正子:写真/KADOKAWA)は、そんな日にこそ、そっと開いてほしい心のお守りだ。
本作は直木賞を受賞した『ホテルローヤル』(集英社)など、心に染み入る物語を数多く紡いでいる桜木紫乃氏の短い物語と、美しい光を活かした写真を撮影する写真家・中川正子氏のタッグによる、フォトストーリー。
桜木氏が描く、光を求めて生きる3人の女性たちの姿と彼女たちの目に映る景色や光を表現しているかのような、中川氏の写真の数々は、日々しんどさと向き合いながらも懸命に生きている人の心に響く。
ままならない日常を送るあなたに響く“彼女たち“の人生
本作には、3つの物語が収録されている。中でも筆者が特に泣いたのは、ひとりぼっちで生きてきたイチコという女性の過去や日常を愛猫の視点から描いた「ジョンとイチコ」だ。
イチコは学校には行かず、大人になった。周りの人たちが何を…
2023/10/13
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出産前のドキドキとソワソワ、複雑な気持ちをやさしく包み込んでくれた…
2023/12/25
全文を読む直木賞作家と人気写真家が初タッグ! 桜木紫乃&中川正子『彼女たち』刊行記念対談 「紙の本であることの意味について考えながら」
10月13日に自身初となるフォトストーリー(写真絵本)『彼女たち』を上梓した桜木紫乃さん。3人の女性の人生の1ページを描いた物語は、発売前の「ゲラ読みキャンペーン」でも大好評。「涙が出た」という声が多数寄せられました。本作でタッグを組んだのは、SNSで発信するライフスタイルが人気の写真家・中川正子さん。直接会うのはこれが2度目というおふたりに、本作での初めてのチャレンジについてうかがいました。 (写真=中川正子 構成=編集部)
中川正子さんと出会い、2年かけて書いた文章をボツに
──『彼女たち』は、イチコ、モネ、ケイという3人の女性を描いた短い物語と写真で構成されています。人間関係につまずき、ひとりぼっちを選んだイチコ。家事・育児・仕事に追われて自分を見失いそうなモネ。最愛の人との別離を経たケイ。彼女たちの人生は、とある喫茶店でほのかに交わります。 大きな事件が起こるわけでもなければ、日々の困りごとがわかりやすく解決するわけでもありません。けれど物語のラストでは、なにかがほんの少しよい方に向かっている。そのバランスが絶妙で、「ひょっとしたらこのな…
2023/10/13
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彼女たち / 感想・レビュー
starbro
桜木 紫乃は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者×人気写真家 中川 正子のコラボフォトショートストーリー、オススメは最初のイチコと猫との物語です。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322202001265/
2023/10/14
旅するランナー
彼女たちを静かに励ます、フォトストーリー。『つよく生きる彼女が、思い出と連れそう日々と上手に手をつなげますように。いつか「つよく」から「つ」が抜けて、「よく生きる」になります。だいじょぶだよ。あなたたちはいまを乗り越える力があること、わたしは知ってるの』こんな言葉を掛けられたいですね。
2023/10/29
いつでも母さん
作家・桜木紫乃さんと写真家・中川正子さんによるフォトストーリー。よかった・・余韻まで沁みる優しい読書だった。イチコのように私に『ジョン』は居ないけれど、いて欲しい空気はある。モネの過ごした時間は私にも覚えがある。そして、コーヒーショップの主・ケイの明日は私の明日になるかもしれない。「いまを乗り越える力」・・ミルクコーヒーを飲みながら、私にも残っているよねと言ってみたい。
2023/10/30
やっさん
★★★★☆ 読書メーター600冊目。生と死とミルクコーヒー……桜木紫乃のつむぐ無情で現実的な日常が、中川正子の写真を得て、実写化されたかのように錯覚させる。とても短い話ばかりだけど、心を揺さぶる話ばかりで大好き。
2024/05/02
じいじ
長い読書の合間で、しばしのオアシス・タイムです。桜木紫乃さんの三人の女たちのお話しと、写真家・中川正子さんの温もりアート写真に癒されました。
2023/11/19
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